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目指せ!義実家! 30

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「お母様、出迎えて下さりありがとうございます」

「あら?こちらのドレスじゃないわね……晩餐の間に教えてくれるのよね」

「はい」

さすがお母様、言わなくても察してくれてます。
お父様の眉がキュッと寄って悲しげなのはシカトです。
ルークのエスコートで晩餐の為の食堂に向かいます。はい!上座ではない席に皇太子殿下(ルークのお父様です)と第三側妃ノーマ様(ルークのお母様ですよ!)が座ってらっしゃいました。

「ホホホ……エリーゼはハイルの横の席よ。ルークはその隣です」

「「はい」」

上座にはお母様が座りました。この場で一番立場が上ということかしら?私の対面席にノーマ様がいます。
えー……これで合ってるのホントに?
良く分からないまま席につけば、食事と飲み物が置かれ……私の前には果実水なんですけど!
横目で見たルークにはブドウジュースです。えー!なんでぇ!

「早速だけど、エリーゼ。何か言う事は無くて?」

早々とお母様から促されました。

「はい。に……懐妊致しました。まだ実感は湧きませんけれど、大事な事ですのでしばらくドレスはシュバルツバルトの物にすると決めました」

「まあ!喜ばしい事だわ!きっと女の子よ!エリーゼ、おめでとう。母はとても待ってましたよ」

「エリーゼ……おめでとう……そうな、私も祖父となるのか……」

お父様、泣いてるわ……しかもちょいちょいルーク睨んでるし。

「ホホホ……ハイル、ここは喜ぶ所で婿入りしたルークを睨む所ではなくてよ」

お母様の目が怖い。逆らったらダメよ!気を確かに持って、お父様!

「そ……そうだな……狭量な事を失礼した」

お父様の言葉にお母様の表情が柔らかくなりました。良かったです。

「そうか、ルークも父となるか。婿に出した身だが、時折は子を連れて帝国に来てくれ」

「ええ。ルークは私の息子だもの、その子供なら絶対に可愛いもの。エリーゼ様、親子でこちらに遊びに来て下さいませね」

ん?んー……?何か……立場、帝国皇太子トその側妃だから私より上よね?

「エリーゼ。帝国内においてシルヴァニア家敷地内に限り、里の者の高順位の者の方が高い事を覚えておいて頂戴。エリーゼは私の娘で大婆様のお気に入りだから、皇太子殿下より高位だと理解なさい。皇宮の謁見では別よ」

「はい」

えらいこっちゃ……ここに来てローカルルールがあるとは!
まあ、ルークの実家ってのもあるから、そこら辺は考えないとね!

賑やかな晩餐は三時間程で終わりました。
お父様と皇太子殿下はお酒を嗜むお部屋に、お母様とノーマ様はサロンへと行きました。
私とルークは馬車に乗ってルークの離宮に帰りました。以上!
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