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目指せ!義実家! 29

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いつもよりずっと丁寧な扱いをされて馬車に乗り込み、シルヴァニア離宮へと向かいました。

「あれがシルヴァニア離宮?」

「ああ、そうだ。見た目に騙されたらおしまいだ。ああ、見えていざとなったら巨大忍者屋敷になるらしい」

「ファッ?」

どこからどう見てもキレイな洋風のお城なんですけど!

「忍者屋敷……しかも巨大て……」

そんな私の呟きを拾ったのはアニスでした。

「ルーク様、良く知ってましたね!そうなんですよ!色んな仕掛けがあるらしいんですよ!」

「そう……なんだ……」

「はい!離宮を建てる時に里長様達が色々手掛けたらしいですよ!凄いですよね!里のお屋敷はそれ程仕掛けは仕込んでないらしいんですけどね」

「色々ヤバそう……」

「里長様か……何だか同じ匂いを感じる……」

ルークが何やら考え込み出しました。良くない傾向です。

「攻守考えたらアリか……?」

やっぱり!何かやらかすつもりだ!

「ルーク。島の建物は基本攻守とか考えなくて良いと思うわよ」

「そっか!そうだな!じゃあ、シュバルツバルトで領地を割譲して貰って、居城建てる時に考えるよ!」

ダメだ……私には阻止出来そうにない……だって、あんなに目をキラキラさせてるんだもん。

「そうね。新しく居城を建てる時に考えましょう」

ごめん!私もちょっと考えたらウキウキしちゃう。
正面玄関に横付けされて馬車の扉が開かれる。
さぁ!正念場よ!妊娠報告のね(笑)

……扉の前に騎士が立ってるし、開かれた扉の奥にズラリと並ぶ使用人達。ヤバ……うちも凄いけど、それよりも凄いんですけど。
キースとアニスが降りてからルークが降りて私に手を差し伸べてるので、遠慮せず手に掴まって馬車から降りる。
うわぁ……大抵の事では緊張しないけど、帝国騎士の装いとか使用人の服装もしっかりしてるし、指先までピシッとしてて……こんなの久しぶりですわ!
なのにエスコートしてるルークは全然ですっ!皇子様パワーが炸裂してます!
くっ……負けるものか!私だって、そのうち公女殿下って呼ばれるようになるんだからねっ!

「エリーゼ!待ってたわ。さ、晩餐にしましょう!」

…………いつもと変わらないテンションのお母様が歩きながらやって来ました。お父様を従えて。
お母様からしたら実家の別邸位の扱いなのかしら?
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