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目指せ!義実家! 1

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まあ、つつがなくシルヴァニアの里で数日間過ごし、ルークの実家に向かう事となりました。
大婆様のしょぼくれぶりが酷かったですが、シルフィーちゃんの「妾が連れて参る故、安心めされよ!」の言葉で気持ち機嫌が直りました。
どうやらシルフィーちゃんの飛行速度、かなり早いらしく数時間もあれば里からシュバルツバルトのお家に着くらしいのです。
しかも魔物と遭遇もしないので、ノンストップとの事。
うん、凄い便利かも。
で、シルヴァニア公爵領から馬車でのんびり帝都を目指します。
のんびりとは言いましたが、ルークとかわい子ちゃん達は島に行ってしまいました。
私はお母様とお茶しながら刺繍をしてます。
貴族女性なのだから、そういう姿は大事ですよって……アニス達専属侍女はキッチンでレシピ見ながら何か作ってます。
時折甘くて良い匂いがします。
……なんか……なんか体が重い気がするわ。
よ~く考えなくても分かる。運動不足です。
帝国来てから刺激の少ない毎日過ごしてる気がする!
いや!気のせいじゃない!大型の現れない日々!ここ毎日、馬車の中でのんびり刺繍とか刺して!甘々なおやつ!太る!太ってる気がする!いや!それだけじゃない!…………お通じ悪い。食物繊維足りてない。
マッサージされてるから浮腫んでるとは思わない。でも、そう。この体の重さは太ったと言うより老廃物が体内に蓄積されてる……。
適度な運動!バランスな取れた食事!そう!私に必要なモノが分かったし、自分の馬車に戻らなければ!

「お母様、私、自分の馬車に戻りますわ」

「あら?まだ午後のお茶もしてないし、馬車も止まらないわよ」

そうだった!馬車を止めるにはそれなりの場所でなければ止められないのだ!
大所帯の不便な所!仕方ない……次に止まるのは……しばらく先の街か……ここでお泊りするって事か……耐えろっ!私っ!

「フェリシア様!今日の甘味はマドレーヌです!アンコと生クリーム、ジャムも添えております!」

ハイカロリー!!お母様!ただでさえ甘いマドレーヌにさらに甘みを加えるとか歯が溶けそうです……?あれ?そう言えば、こちらには虫歯とか聞いた事無いわ。

「ふふ……マドレーヌですって。アンコ乗せると美味しいのよね」

安定のアンコ星人発言です。

「あまり甘い物ばかり食べてると歯が痛くなりませんか?」

キョトンとして小首を傾げるお母様、可愛いです!アンチエイジングの鬼なのにあざと可愛いです!

「エリーゼ。歯が痛くなる訳ないでしょう。なんのためのおまじないだと思ってるの?」

おまじない?食前は特に無いけど、食後や寝る前にやる感謝のアレ?……よね。

「偉大なる私達の里長様達が教えて下さり、また広めたおまじないで歯が傷んだり欠けたりする事が無くなったのよ」

!!は?いや!そうなの?凄すぎない!あのおまじない。今までサラッとやっててスルーしてたけど。
ありがたい……そうか、この世界におまじないが広まってるおかげで歯医者とかいないのね。

「まぁ、何かあってもポーションである程度はどうにか出来ますからね」

やっぱ最終的にはそこか……
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