婚約破棄されまして(笑)

連載

new world 63

その後は少しの間、お喋りして宴会突入。
若い女性陣の踊りとか歌とか見て楽しませて貰いました。
なぜかルークとマリンちゃんの舞が披露されましたが、どうやらルークの前世参考の舞らしく、マリンちゃんがフワフワユラユラ手に纏わり付いたりクルクルとルークの周りを回ったりして可愛かったです。
個人的には前世に見たドックダンスみたいだなぁ……と。
田舎だったからね、広いドッグランとかあって友人に連れられて行った事あったのよね。
ドックスポーツなんて知らなかったから新鮮だったなぁ……

「主様？」

「ああ……何でもないわ。ちょっと色々思い出しただけよ」

無言で私を見つめるシルフィーちゃんの顔が少し悲しげでちょっぴり胸が痛い。
あ！そうだ！

「ね、シルフィーちゃん。後でシルフィーちゃん以外の契約した子達を呼ぶから、仲良くしてくれる？」

「勿論じゃ！」

楽しみね！と笑い合いながら食事を楽しみ、デザートにと出されたのはプラムでした。
やっぱり、こっちはちょっと植栽が違うなぁ……とか思いながらプラムを囓る。
甘みが足りない様な気がするけど、今世では甘い方なのよね。
やっぱり砂糖は殆ど流通してない。
視線を感じて顔を向ければ、大婆様とうちに来ていた人達から熱視線（笑）

「エリーゼ、お母様エリーゼの甘味が食べたいわ」

なるほど！お母様始め大婆様達は我が家で出してた甘味の数々を思い出したのね！
なるほど納得！の熱視線です。
松露なら配りやすいし、無限収納にかなりの量が入ってるから松露は決定。
どら焼きとサーターアンダギーも出そうかな。
苗も甜菜と小豆を分ければ里でも作れる様になるんじゃないかなって思うしね。

「松露とどら焼きとサーターアンダギーを出しますね」

「まあ！嬉しいわ！」

アンコ星の女王様であるお母様は大喜びです。
大婆様もニコニコしだしました。松露も、どら焼きも食べてますもんね。
家族以外はサーターアンダギーを見て訝しんでましたが、お母様がサッと手に取り二つに割って松露を埋め込み（！）パクっと齧り、満面の笑み和溢した瞬間大婆様始め女性陣全員が真似して食べ始めました。
お母様よ……只でさえ甘いサーターアンダギーに松露を埋め込むとか、どんだけ甘くすれば気が済むのですか……

「お薄を持ってきて頂戴！」

……お抹茶あるんだ………お薄って言い方があるならお濃もあるのかしら？