婚約破棄されまして(笑)

連載

new world 38

朝です。いつも通りの朝です。でも馬車の周りを走り込んだりはしません。島に行って走り込んだり、鍛錬したりしてます。もちろんカワイコちゃん達と一緒にです。
え？ルーク？ルークは朝も早くから町作り？とかを頑張ってます。
やりたい様にやってくれて良いと思ってます。
私が思うよりしっかり作り込まれてるし、ちゃんと機能してるしで言うこと無しです。
……結構色々見てるし、こういった仕事に向いてるんだろうな……キュン♡
ハッ！キュン♡じゃないよ！何よ！そりゃあ優しいし、逞しい所もあるし、元とは言え皇子様だったしイケボだし！言うこと無しだし！もう！朝から何言ってるのよ私！
テレテレしながら馬車の寝室に戻って来ました。
そんなこんなでいつも通りの馬車旅です。

数日間、殿下達と同じ道を通って来ましたが、本日お昼（正確にはお昼前）で道が分かれる事となりました。
殿下達は皇都へ、私達はシルヴァニア公爵領へ向かうのです。
時間の都合上、お昼ご飯は一緒には出来ないとの事では凄く残念そうでした。
そんなにうちのご飯食べたかったの……？
ルークはシルヴァニアの里に行ける事を聞いて、テンション爆上げしてました。どうやら里には簡単に行けない？入れないらしく、めちゃくちゃ喜んでました。
シルヴァニアのお祖母さま（大婆様って言い直したらちょっと凹んでたのでお祖母さま呼びにしました）は婿殿だから特別って言ってました。
お父様が里に行けたのもお母様と婚姻したからだと聞きました。
その時にお父様は馬を貰ったのですって！ん？……馬の寿命って……？

（ナビさん、シルヴァニア産の馬の年齢って分かる？）

＜マスター。シルヴァニア産の馬の年齢は正確には分かりませんが、この隊列のシルヴァニア産の馬の最も年齢のいっている馬でもまだ老いの域には到達しておりません。おそらくですが、血統的に見てもかなり長寿だと思われます＞

（血統的？）

＜はい。魔物と掛け合わされた品種ですので最低でも百年や二百年は生きるのではないかと＞

（長生きだね……）

＜はい。ですので他地域へは出していなかったのではと考察します＞

（そうね……）

そりゃそうか。丈夫だし健脚だし、魔法とか使うし……いや、めちゃくちゃ軍馬向きだもの野心家の所にもって行かれたら大変だわ。