上 下
1,191 / 1,402
連載

婚姻式 21

しおりを挟む
「エリーゼ様、初夜の前にこちらを奥様から渡されております。どうぞ気付け薬だとでも思ってお飲み下さい」

アニスの手にキレイな小瓶が一つ。中身は液体だけど、お母様からなら問題ないでしょり。

「分かったわ」

小さくてキレイな小瓶をアニスの手から取って一気に飲む干す。
甘くて良い香りのするソレはアルコールと言うより、何かのドリンク剤の様な薬っぽいような気がするけど特に違和感も無かったから大丈夫よね。

「甘くてビックリしたわ。ありがとねアニス」

「エリーゼ様、これで支度は滞りなく終わりました。私は扉前におりますから何かあればお呼び下さい」

「ええ、ベッドの脇の台のベルで呼べば良いのよね?」

「はい」

「じゃあ、また後でね」

「失礼致します」 

寝室は特に暗くされてる訳でもなく、キングサイズのベッドと他にソファとテーブルも配置されてる。
サイドテーブルという訳じゃないけど、ベッド脇の台の上には果実水の入ったクリスタルボトルとグラスが置かれてる。
ソファ前のテーブルにはカットされたフルーツとやっぱり果実水の入ったクリスタルボトルとグラスが置かれてる。
……そんなに喉が渇くものなのかしら?フルーツはおやつ的な?これが初夜の寝室に用意される一般的な物なのかしら?
こういうとき未経験者って損よね。ちっとも分からない。
落ち着かないからソファに座ってみるものの、下着付けずにスケスケネグリジェ一枚だから心許ない事この上ない。

キィ……

ルッ……ルークが来た……どどど……どうしよう……私の格好見て引かれないよね?笑われたらどうしよう?恥ずか死ねる!

「エリ……え?エロカワ天使がチャイナ着て座ってる……!」

「は?」

ルークが両手で顔を覆って天を仰いで跪いてます。
 
「エリーゼ……初夜を迎える前にあの世に行きそうだよ……」

「何言ってるの?」

ルークは普通のガウン姿でした。もちろんパジャマ(天蚕織り)着てます。
不公平じゃない?

「いや、もう……ソレは童貞を殺す服だよな?」

「え?ネグリジェよ?童貞を殺す服ってギリギリを攻めたニットワンピでしょ?」

「いや、その後に色々出たんだよ……エリーゼ、とんでもなくエロカワいくてヤベーんですけど」

「する?」

「単刀直入だな!でも、それもらしくて良いな」

立ち上がってエスコートされてベッドへと連れてこられて、どうしようかな?って思ってたらサッとお姫様抱っこされてベッドの中央へと運ばれました。
まな板に載った鯉とは今の私の事ですね……ボスケテー。
しおりを挟む
感想 5,614

あなたにおすすめの小説

【短編】捨てられた公爵令嬢ですが今さら謝られても「もう遅い」

みねバイヤーン
恋愛
「すまなかった、ヤシュナ。この通りだ、どうか王都に戻って助けてくれないか」 ザイード第一王子が、婚約破棄して捨てた公爵家令嬢ヤシュナに深々と頭を垂れた。 「お断りします。あなた方が私に対して行った数々の仕打ち、決して許すことはありません。今さら謝ったところで、もう遅い。ばーーーーーか」 王家と四大公爵の子女は、王国を守る御神体を毎日清める義務がある。ところが聖女ベルが現れたときから、朝の清めはヤシュナと弟のカルルクのみが行なっている。務めを果たさず、自分を使い潰す気の王家にヤシュナは切れた。王家に対するざまぁの準備は着々と進んでいる。

離縁を告げに

豆狸
恋愛
「バーレト子爵、ファティマを呼び捨てにするのは止めてくれないか」 「止めるのは君のほうだろう。ファティマは私の妻だ。妻を呼び捨てにしてなにが悪い」 「……ヒカルド様? 私達は二年前に離縁していますが」 なろう様でも公開中です。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました

ララ
恋愛
3話完結です。 大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。 それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。 そこで見たのはまさにゲームの世界。 主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。 そしてゲームは終盤へ。 最後のイベントといえば断罪。 悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。 でもおかしいじゃない? このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。 ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。 納得いかない。 それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?

悪夢に狂う

豆狸
恋愛
幼いころからの愛情が消えたわけではありません。 ですが、この恐怖は永遠に消えない、そんな気がしていました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。