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婚姻式 11

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着付け終わって、裾が少し重いのでちょっと気になってチラチラ見ていたらですよ……

「こちらは床に当たる部分は取り外し出来る布地を付けております。お外にこのまま出ても大丈夫ですよ」

アニスの言葉になるほどと思う。このドレスはパレードで着るから、馬車に乗り降りする時はそのまま接地させて歩くから、傷まない様に裏地として付けられてるのね。
何というか懐かしい重さだわ。ちょっと前までは天蚕の糸は超高級品でドレスを作るのに何年も掛かったらしいのよね……今は裏庭に住んでるから、糸は取り放題なのよね。

「じゃあ、行きましょう!ルーク様もきっと待ってますよね!あ!その指輪、とっても似合ってます!」

「えっ!ええ、ありがとうアニス。ルークから贈られたの……皆の前ではめられて嬉しいやら恥ずかしいやらではめられた後の事を良く覚えてないのよ……」

「そうなんですね。でも、きっと大広間から聞こえた声で何となくですが、皆様……特に若い方が喜んでいらっしゃった様ですし、良かったと思います!」

「そう?それなら良かったわ」

手を握られ、今度はエントランスホールへと連れて行かれる。
外からざわめきが聞こえる……きっと大広間にいたお客様とかいる……コッソリ、マップでチェックしたら大広間はめっちゃ動き回る人達以外いないんだもの……
これはアレよね、大披露宴の準備の為に動いてるのよね……
玄関前が凄い事になってるぅ……

「エリーゼ」

ルークが待ってまし……た……?え?今度はうちの正装着てる……
いつの間に誂え……いや、決定した時点でお父様が連絡して作らせてるわよね。
帝国の正装も格好良かったけど、うちの正装も似合う~♡
差し色に私の色が使われてて、嬉しい~♡

「今度のドレスも良く似合ってる。さ、皆待ってるから行こうか」

差し伸べられた手へと私の手を伸ばすと優しく握られた。
大きくて硬い手は温かくて安心出来る。
私の目を見つめてニコリと微笑むと手がヤンワリと引かれ、正面玄関扉へとエスコートされる。

「では、お開けします」

略装に身を包んだキャスバルお兄様の執事達が両扉の扉を開く。
馬車までのアプローチに大広間にいた人達が所狭しと立っていて、その前からいたのであろう大勢のお客様が門までの長い直線道路の両脇にズラリと並んでいる。
うん、スッゴイいる……!
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