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婚姻式 6

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ツラツラと考え事をしながら時を待つ。
あー……この待ってる間にドレスが馴染んできた気がする。布地が柔らかいってのもあるのかしら?
緊張もほぐれてきたかな~。

「皆様お揃いになりました。エリーゼ様、大広間の前までゆっくり移動して下さい」

お母様の侍女(専属ではない)がやって来て深々とお辞儀をしてから告げた。
うぅ~……今から婚姻式始まる~……

「エリーゼ様、参りましょう!」

差し出されたアニスの手を掴み立ち上がる。
わらわらと出てきた侍女達がトレーンを持ち上げ廊下を引きずらない様にしてくれる。
さすがにいつもの様にサッサと歩けない。なぜならトレーンを持ってくれてる侍女達の歩行速度の事も考えなきゃだからです。
一歩ずつ進む……いつもならすぐに行ける距離なのに、ゆっくりとしか進めないから凄く時間が掛かる。
……これは大変!私もだけど、着いて来ている侍女達が!いや、後ろを見ながらテンポを決めてるアニスも大変です!

たっぷり時間をかけて大広間の扉の前まで来ました!

「エリーゼ様!私達はここまでですが、お手伝い出来て光栄でした!この先はアニス様だけが一緒に行けますが、どうかお心を強く持ってお進み下さいませ!」

着いて来てくれていた侍女達がトレーンを下ろし、整えてから頭を下げて声を掛けてくれた。

「ええ、ありがとう。まだお着替えもあるし、大晩餐会もえるからよろしくね」

「はい!勿論です!私達は先ほどのお部屋でお待ちしております!」

そう言って次々と戻って行く。その背中はどこか誇らしげで胸が熱くなる。

「アニス、この先は専属侍女の晴れ舞台です。慌てる事はありません、ゆっくりお客様に見せ付けて我等の姫様のお姿をしかと目に焼き付けて貰いなさい」

「はいっ!」

エミリ……アニスを煽らないで!そしてアニス、滅茶苦茶やる気じゃないの!
クスクスと扉の前に待機していた従者が笑う。

「お開けするので気楽に声を掛けて下さい」

「もちろんです!エリーゼ様、行きますか?」

「えっ……ええ、行きましょうか!」

女は度胸ですよ!

ギギギ……とわざとゆっくり開けられた扉の向こうに居並ぶ多くの着飾った人達を見て、さすがにちょっとビビる。

「凄く多いですね!さすがエリーゼ様です!」

「そうかしら?でもゆっくりで良いから進みましょう」

二人でうなずき合い、先にある壇上のお父様とお母様を見てから、その前に立って私達を見つめるルークと目が合った。
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