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春が来た! 225

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そんなこんなで私とラーラルーナ様は夕方まで厨房でワチャワチャしてました。

「お嬢!そろそろお部屋に戻ってくだせえ!後の事はこっちでまかなえますぜ!お支度してきてくだせえ!」

もう、そんな時間なのね。

「ラーラルーナ様、夜のカニ祭りの為に着替えてきましょう。多少汚れても大丈夫なドレスがオススメよ!アニス!お母様やお父様の所に今日の夜は汚れを気にしない服装でお願いしますって伝えておいてちょうだい。お客様にはお父様やお母様から言伝が行くでしょうから、アニスはお父様とお母様に伝えてね」

「はいっ!」

厨房の片隅で控えていたアニスが早足で消えました。
さてと……ラーラルーナ様は侍女……ん?帝国のお家から連れて来てた侍女ってどうしたのかしら?

「ねぇ、ラーラルーナ様。こちらに来るときに連れていた侍女って……」

「あぁ!彼女は元々私の侍女じゃなくて家に行儀見習いに来てた侍女でね、特に思い入れとか何とか無いからお付きの部屋って言うのかしら?控え室って言うのかしら、侍女用の部屋で私が持ってきたドレスやアクセサリーの手入れを頼んでるの。専属侍女を用意して貰ったでしょ?彼女に全て一任した方が良いかなって。だから今も部屋で大人しくしてるか、せいぜい近くを散策する位しかやる事無い筈よ」

迷いの無い笑顔で、そうキッパリ言い放ったラーラルーナ様はどこか格好良くて思わず笑顔になってしまう。

「うちからの侍女を気に入って貰えて何よりよ。仲良くなれそうなのね」

「ええ!とてもレベルが高いし、学習能力高くて流石シュバルツバルト家……と言うよりフェリシア様の監督ね」

ん?ここでお母様の名前が出るってなして?

「フフッ……不思議そうね。いまだシルヴァニア公爵家令嬢として帝国籍があるフェリシア様は伝説と言っても良い位のご令嬢だったのよ、帝国の貴族夫人の殆どは今も信者じゃないかしら?私のお母様も信者っぽいしね」

ヒョエッ!お母様……一体帝国じゃあどれだけの事やってたのよ……いや、考えるまい!感じるんだ!
……感じたら、なおさら怖くなってきた……

「とっ……とにかくお母様の人気が絶大なのは理解したわ。さ、行きましょう。後は料理人達な任せれば良いんだから」

「そうね」

こうして私達は厨房から出て部屋へと戻った。
え?アニスの事は待たずに一人で部屋な戻りましたよ。私に立ち向かってくる様な人は敷地内にいない筈なんで!
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