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春が来た! 207

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「そうなのね。昨日で結構な規模なのに特に慌てる風でも無かったから、さすが元公国は違うわね……って思ったのだけど……」

ラーラルーナ様の言葉な軽く頷く。元々が一つの国だったのもあると思うのだけど……

「単純にお祭り騒ぎが好きと言うか、皆で飲み食いするのが好きなのかも知れないと思ってるわ」

「そうだな。仲間内で何かをやるのが好きなんだと思う」

ルークがうんうんと頷いて肯定してくれる。

「だからね、ラーラルーナ様。こちらにいる間はうちのドレス着て、キャスバルお兄様の横でニコニコしまくるのよ!それだけで次期領主の婚約者は笑顔の可愛い令嬢が来るんだって皆盛り上がるから」

「そうかしら?主役はエリーゼ様でしょう」

不安そうね、ラーラルーナ様!

「春は私が主役かも知れませんけど、秋はラーラルーナ様が主役ですわよ!大雑把に言って一年位ですもの!皆喜ぶわよ!来年の秋にはトールお兄様の婚姻式だし、喜ばしい事が続くのよ!」

「そうか……そうだったな……」

ルークが呆然としてます。あれ?おかしくないわよね?

「そうよ。本来なら去年の秋、卒業後良き日に婚姻式をする予定だったのよ。でも、ホラ、ダメになったでしょう。で領地に帰る途中、婚約者が変わって婚姻式が伸びて春になったから……これ以上伸びちゃうとキャスバルお兄様とセットでやる羽目になったと思うのよ……それは嫌だっての……早く一緒になりたかったんだもの……」

「エリーゼ……」

つい見つめ合って顔が熱いんですけど……

「はいはい、相思相愛おめでとうございます。でも、そっか……本来の予定から伸びたから春に婚姻式って事なのね……悪役令嬢の真のエンディングが春でラブラブなのってザマァよね?」

ラーラルーナ様の言葉にはて?と首を傾げてしまう。

「そうなのかしら?彼女は攻略対象者の王子様と無事婚姻した訳だし、ザマァにはならないんじゃない?」

とりあえず一番人気じゃないのかしら?

「甘いわ……あのゲームの一番人気は帝国皇子のルーク様よ。顔良し頭良し性格良しのスタイル良しの血筋良しで向かうところ敵無しの存在なのよ!本来のゲームならルーク様は婚姻式のお披露目パーティーで奪略してくのよ!」

ラーラルーナ様、目がマジでした。
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