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春が来た! 203

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「どうした?」

「あ……うん、王都って今どうなのかなって思って」

「あ……あー……王都な。まあ、婚姻式が済んでからでも良いんじゃないかな」

ん?誤魔化された?

「今は触れて欲しくない感じ?」

「まぁな。義父上に報告が上がって来るからな、事情はある程度解ってる。エリーゼには婚姻式が済んでからの方が良いと俺は思ってる」

「ふぅん……」

「花嫁さんには幸せな笑顔でお式な望んで貰いたいものね」

私が納得出来なさそうなのをラーラルーナ様がフォローしてくれてますが、それだけで余り良くない状態なのが透けて見えますよ。
でも心配させたくないって事なのか、余計な手助けや考えを持って貰いたくないって事なのかな……

「そうね……冬の時、かなり大変みたいだったから式が済んでから聞くわね」

うん、それがベストかな?

「ああ、そうしてくれると助かる」

「はぁ……私も早くお嫁入りしたいなぁ」

「まあ!一年なんてあっという間ですわよ!それに我が家から専属侍女だけでなく、侍女もメイドも従者や護衛も引き連れてくと思うのよ!一年かけて嫁入り支度すると思えばあっという間よ!あっという間!」

「え……?ちょっと待って……専属侍女だけじゃない?」

「ええ、そうよ。着る物から何から我が家からある程度持って行って、身につけたり扱ったりして慣れ親しんで貰わないと」

「え……」

「ドレスだけでもプリンセスライン、エンパイアラインが増えるでしょ。それに合わせたお飾りや履き物に小物でしょ。朝起きてから夜寝るまで我が家のルールに合わせて貰うから、生活習慣も変わると思うのよね。帝国に帰って体磨きが甘くならないようにするってメイド達が言ってたって聞いたわよ」

そう!エステ並みに全身磨くのは我が家が先端ですからね!
最後の言葉でラーラルーナ様のお顔がビシッと固まりました。
うん、思い当たる所ありますよね!

「たっ……確かに家に帰ったらまた垢だらけのフケだらけに……」

「あ……ああ、そこは俺も分かる。体を擦る気持ち良さとか頭を洗える快感は手放せないな……」

お二人共、顔がションボリです。

「ラーラルーナ様、ご実家に帰ってもきちんと手入れ出来るから安心なさって。必要な道具は定期的に送りますしね」

「たっ……助かるわ」

ホッとした顔で言われました。やはり美容と清潔は乙女には……いえ、女性には大事ですから!
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