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春が来た! 156

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「殿下も久し振りですな!美酒美食の領地!確かに!ですが、それは全て我が娘エリーゼによるものです!自慢の娘がよもや殿下の子息と一緒になるとは夢にも思いませんでした!」

……えー……お父様、何言っちゃってるの?相手は帝国皇太子殿下ですよ?なんで、バチバチしてるのかしら?

「ホホホ……ハインリッヒ、いい加減になさいませ。お久し振りで御座いますね、ジョルジオ殿下」

あ!お母様が止めに入ったわ。一安心。

「お……おお、フェリシア嬢……久し振りだな、元気そうで何よりだ。あー……その、我が息子がこちらに見初められたと聞いてな……その……よろしく頼む」

「勿論ですわ。私の大事な娘婿ですからね」

あれ?お母様の圧の方が強い気がするわよ。一安心とかしてる場合じゃなかったわ。

「あっ……ああ、そうなんだな……」

「まぁ!フェリシア様、本当にお久し振りですわ!フェリシア様はちっともお変わりなくって!美しいままで、本当に憧れますわ!」

うわぁ……ルークのお母様、テンション高ぁ……
いや、待てよ?ノーマ様、お母様の事知ってる? 

「ノーマ!久し振りね!ノーマったら、少しふくよかになった?少し運動でもした方が良くてよ。私もね、こちらに帰って来てから運動してるのよ。おかげで腰回りがスッキリして、ちょっと前のお気に入りのドレスも着れて良い事尽くめよ」

「まあ!素敵だわ!でも私、一緒に出来るかしら?不安だわ」

「大丈夫よ。最初は私も思ったより出来なくて落ち込みましたもの」

……JKなトークに聞こえる……

「む……オホン!懐かしいのは分かるが、そろそろ下がる方が良いと思うしんだがね。ノーマ」

「あら!そうでしたわね。ではフェリシア様、後ほど」

「ええ」

そう言うと優雅な足取りで執事長の案内のもと、エントランスホールのソファセットへと向かう。
開いたままの玄関扉からお着物……と言うより、十二単みたいなお着物を着た老女を筆頭に熟女?数名と若い女性が十数名。
あれ?ここ、異世界ですよね?日本の……しかも古代とかじゃないですよね?

「久しいの。ささ……妾に紹介しておじゃれ」

言語まで古代?どっ……どうしよう……お母様ーーっ!

「大婆様、お久ししゅう御座います」

あ……お母様も同じ話し方になった……
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