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春が来た! 142

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それにしても光沢ある草履ね。どんな素材で作ったのかしら?銀色でキラキラしてるわねぇ…

<マスター、マスターが前世で見た資料により銀糸・金糸を作っております。前世のマスターが様々な資料を見ていて下さったおかげで八丈島は素晴らしく発展しております>

発展しております。じゃないわよ!資料って何よ!そんな文献見た記憶無いわよ!

<マスター、マスターが目にした映像や本等は全て資料でございます。簡単ですが説明もされており、非常に役に立っております>

映像?映像ってテレビとかって事?

<はい。その通りです。勿論マスターが行かれた博物館等の記憶や説明文等も貴重な資料です>

……興味の赴くままにあちこちに行って見て来た全てが資料となってる……の?

<勿論です。マスターは素晴らしい探究心の持ち主です>

あ~……褒められてるのに嬉しくないような気がする~……

<マスターは本当に素晴らしいです。自信を持って下さい。あの自動織機とか素晴らしいではないですか!簡単な造りの服等はあれで織った布が大活躍ですよ>

簡単な造り……?ちょっと待って!簡単じゃないのは手織りって事?

<手織りも勿論ありますが、手の掛かる織機もありますから>

怖い怖い怖い!何、言ってるのよ!ナビさん、止めてよ!

<安心して下さい。私達はマスターを至上として働いてるだけですから>

ううう……私を至上の存在としてとか、腰が引けるわよ……

「エリーゼ、ねえ……これ、どうやって作ったのかしら?お母様も欲しいわぁ……」

あああ……お母様の目が肉食獣みたいになってる!怖いですから、止めて下さい!

「お母様、こちらで作るには説明も大変なので別に作って貰った物をお渡し致します」

「ありがとう。こんな素晴らしい履き物、他の誰も持ってないんですもの。つい本気になっちゃったわ」

「そうですか……」

お母様も奥様もドレスと白無垢に釘付けだから、ノーチェックかと思ったら全然違ったわよ……

「あら?銀糸の草履?へぇ……初めて見るけど、高級感が全然違うわね」

「あ……ラーラルーナ様、終わりましたの?」

「ええ。とりあえずですけど。それにしてもウェディングドレスも凄いけど、白無垢も凄いわね。技術の総決算みたいになってるわね」

あー……ラーラルーナ様が後ろから撃ってキマシタワァ……
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