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春が来た! 139

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「信じられない……こんなに素晴らしい物が……」

「ええ……神々しいです……」

「私達ももっと研鑽しなければ……」

トルソーに着せたウェディングドレスを見るエルフの目の真剣さよ……

「凄いわ……」

お母様も目が離せないのか見詰めっぱです。
うん……凄く分かります。だって、トレーンの所のレースとか繊細で美しいんですもの。
ずっと見てられるわ……
そして背後から感じる視線とざわつき……ラーラルーナ様のお着替えやってるメンバーですね。

「凄い……マーメイドデザインにトレーンも凄く長くて……憧れるわ……」

ラーラルーナ様の呟きにお母様と奥様の目がギラリと光ました!

「そうよね!凄いわよね!ラーラルーナ嬢も着たいでしょ!」

ウワァオ!お母様の圧が凄いです(笑)

「ええ!勿論、私共もこのドレスに負けない程美しく素晴らしいドレスを作ってみせますわ!」

奥様よ……本気なの?って本気過ぎて怖いです。

「はいっ!私達も是非作りたいですっ!」

うんうんと頷くエルフ女性達。
何が貴方達の魂に火を点けたのですか?怖くて聞けないけど、怖い物見たさで聞いてみたいです。

「え……凄く素敵だけど、さすがに重さを考えるとちょっと……」

そうですよね。分かります!でもねラーラルーナ様、天蚕の糸……滅茶苦茶軽いんです!さっき持ってみて驚きました。
多分、総重量五キロあるかないかですよ。

「大丈夫ですよ!とても軽いので、問題無いです!先程持ってみたのですが、全然軽いです!手で持っても軽いと感じるので、着ればもっと軽いと感じる筈です!」

あー……うん、ソウデスヨネー。一年前だったらドレスはどれもこれも多く……?いや、ウール製みたいなドレスは軽かったわ。
魔物素材って基本軽いのかしら?動物とは違うのよね……武装も軽かったし……

「ホホホ……ラーラルーナ嬢、今試着してるドレスはどう?重くて?」

「あ……?軽い……?」

ラーラルーナ様、貴女が試着してるドレスは全部魔物素材のドレスですよ。
今は春ですけど、秋冬用のドレスはきっと夏の終わりに送られると思いますよ。
しかもオーダーメイドですから、太ったりしたら大変ですよ。

「ホホホ……我が家のドレスを一度着たら、他所のドレスを着る気などなくなりますわよ!」

声高らかに言い切りました。お母様が。
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