上 下
1,032 / 1,415
連載

春が来た! 92

しおりを挟む
「以上かしら?」

「そうですね、思い付くのはそれ位ですね」

天蚕達の糸って良いのよね。艶もあって、品もあるのよね。

「ああ!そうだ、母上。ラーラルーナ嬢にもお着物でしたっけ?あれを作って貰いたいのです」

何か思い出した様です。でもお着物って良いのよね、こう……気持ちがピッ!となるのよね。

「そうね、うちに来るのなら何枚か作って貰わないとね」

お母様が笑顔です。

「じゃあ、お着物用の小物も要りますね」

組紐とかお飾りとか草履とか?草履はこっちで作るより、チビナビちゃん製作の方が種類多いのよね。

「そう言えばエリーゼの方が小物は質が良いのよね。お着物に合わせて出してくれるかしら?」

「勿論ですわ、お母様」

「フェリシア様」

突然エミリの声が後ろから聞こえてドキッとする。落ち着け私!顔に出さずにお母様の後ろを見やる。

「エミリ。どうなりましたか」

「はい。ラーラルーナ様はマリエルを選びました。何でも年が一番近いので……と仰っておりました」

「マリエルは?」

「はい、そのままお側で仕えるように、と伝えました」

「こちらに滞在している間はあちらの侍女に付いて、必要な事柄を習得させる様に」

「はい。マリエルの事ですが、上級使用人として扱えば宜しいですか?」

「まだ上級使用人には相応しくないでしょう。一年あちらに行って仕える意味を理解した後、こちらで上級使用人として学んだ後決めます」

「畏まりました」

さすがお母様は我が家のドンです。お母様の言葉に壁に控えてた上級使用人達がちょっとだけピリッとした雰囲気でしたが、お母様の意思決定で緊張が少しだけ解けた様です。

「さて、キャスバル。うちからの侍女も決まった事だし、後はどうにかなるでしょう」

「ええ、よろしくお願いします」

それにしてもジェニファーの妹かぁ……どんな子かしら?気になるけど、明日のお茶会には後ろに控えるだろうから会えると思うのよね。
それにしても、超シスコンなキャスバルお兄様も年貢の納め時カウントダウンかぁ~。一年なんてあっという間よね、私だってルークと会ってあっという間に半年以上だもの。
ウフフ……もう婚姻式なんて嘘みたい。十日後には花嫁さんかぁ……あのウェディングドレスを着るなんて夢みたい……
しおりを挟む
感想 5,615

あなたにおすすめの小説

(完結)嘘をありがとう

七辻ゆゆ
恋愛
「まあ、なんて図々しいのでしょう」 おっとりとしていたはずの妻は、辛辣に言った。 「要するにあなた、貴族でいるために政略結婚はする。けれど女とは別れられない、ということですのね?」 妻は言う。女と別れなくてもいい、仕事と嘘をついて会いに行ってもいい。けれど。 「必ず私のところに帰ってきて、子どもをつくり、よい夫、よい父として振る舞いなさい。神に嘘をついたのだから、覚悟を決めて、その嘘を突き通しなさいませ」

愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた

迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」  待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。 「え……あの、どうし……て?」  あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。  彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。 ーーーーーーーーーーーーー  侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。  吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。  自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。  だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。  婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。 ※基本的にゆるふわ設定です。 ※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます ※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。 ※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。

【完結】失いかけた君にもう一度

暮田呉子
恋愛
偶然、振り払った手が婚約者の頬に当たってしまった。 叩くつもりはなかった。 しかし、謝ろうとした矢先、彼女は全てを捨てていなくなってしまった──。

愛せないと言われたから、私も愛することをやめました

天宮有
恋愛
「他の人を好きになったから、君のことは愛せない」  そんなことを言われて、私サフィラは婚約者のヴァン王子に愛人を紹介される。  その後はヴァンは、私が様々な悪事を働いているとパーティ会場で言い出す。  捏造した罪によって、ヴァンは私との婚約を破棄しようと目論んでいた。

溺愛されていると信じておりました──が。もう、どうでもいいです。

ふまさ
恋愛
 いつものように屋敷まで迎えにきてくれた、幼馴染みであり、婚約者でもある伯爵令息──ミックに、フィオナが微笑む。 「おはよう、ミック。毎朝迎えに来なくても、学園ですぐに会えるのに」 「駄目だよ。もし学園に向かう途中できみに何かあったら、ぼくは悔やんでも悔やみきれない。傍にいれば、いつでも守ってあげられるからね」  ミックがフィオナを抱き締める。それはそれは、愛おしそうに。その様子に、フィオナの両親が見守るように穏やかに笑う。  ──対して。  傍に控える使用人たちに、笑顔はなかった。

メイドの方が可愛くて婚約破棄?

岡暁舟
恋愛
メイドの方が好きなんて、許さない!令嬢は怒った。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ

音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。 だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。 相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。 どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

悪役令嬢は毒を食べた。

桜夢 柚枝*さくらむ ゆえ
恋愛
婚約者が本当に好きだった 悪役令嬢のその後

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。