上 下
1,027 / 1,402
連載

春が来た! 87

しおりを挟む
「ちょっと……不躾じゃないかしら?」

「いや。あくまでもチラチラだからそんなに不躾じゃないだろ。ガン見してたら当然不躾だけどな」

「あー……なるほど、そうね。確かに……夜会なんかだとお相手のいないご令嬢はガン見してるものね」

ふ……と思い出す夜会の令嬢達の肉食系と言えば良いのか、野獣系と言えば良いのか分からない人達がいたわ……
下位貴族令嬢は婚約者がいない令嬢が多かったし、生活と言うか未来が掛かってるから必死だったと思うのよね。
切り替えの早い令嬢達は騎士とかを狙いに行ってたりしてたし、中には使えるコネを最大限に使って領地勤めの人狙いで寄親の領地に行ってるのとかいたなぁ……

「あー……まぁ、どこの貴族も子供がそれなりにいると苦労するもんな。それにしてもあの視線……何だか背筋がゾクゾクするぜ……」

「風邪?大丈夫?」

ルークが如何にもといった感じでブルブルッと震えて見せるから、軽い感じで聞いてみたけど……目がマジで怯えてる。そんなに?

「大丈夫じゃねぇ……あの目……あれはアイツと同じ目だ……ヤベェ……」

「アイツ?」

プルプルと震えてブツブツ言ってる。そんなにヤバいのかしら?

「綾……いや、言わないでおこう。言えばアイツの霊圧を感じるかも知れない。ゴメンな、エリーゼ。内緒にさせてくれ」

願掛けかしら?それにしても霊圧て……相変わらず面白い事言う男よね。

「良いわよ。まぁ、夕食の時に少しは話せるでしょうし」

「そ……そうだな。まさか腐女子がこの世界にもいるなんて事……」

「あると思うわよー。だってほら!私もちょっとねー……」

「エリーゼ、婦女子がどうしたと言うのです?貴女は淑女でしょう?」

冷静なお母様から冷静なツッコミを頂きました。婦女子と腐女子の違いを説明するのは面倒なのでかっ飛ばします。
ルークとのトークは一旦止めておきましょう。ヤバいです。

「その通りですわ、お母様。私、お母様の様な淑女を目指しておりますのよ」

ニーッコリと笑顔を浮かべる。

「エリーゼはそのうち義母上に似た完璧な淑女になりそうだな」

ルーク!お口チャック!!

「ホホホ……エリーゼは既に完璧です。どこぞの短絡バカの王子のせいで疵物みたいになりましたけど、私の可愛い娘ですから完璧ですわよ!」

「はいっ!」

お母様の鋭い言葉にルークがピッ!と敬礼して返事しました。
ルーク……そう言う所、嫌いじゃない(笑)
しおりを挟む
感想 5,614

あなたにおすすめの小説

【短編】捨てられた公爵令嬢ですが今さら謝られても「もう遅い」

みねバイヤーン
恋愛
「すまなかった、ヤシュナ。この通りだ、どうか王都に戻って助けてくれないか」 ザイード第一王子が、婚約破棄して捨てた公爵家令嬢ヤシュナに深々と頭を垂れた。 「お断りします。あなた方が私に対して行った数々の仕打ち、決して許すことはありません。今さら謝ったところで、もう遅い。ばーーーーーか」 王家と四大公爵の子女は、王国を守る御神体を毎日清める義務がある。ところが聖女ベルが現れたときから、朝の清めはヤシュナと弟のカルルクのみが行なっている。務めを果たさず、自分を使い潰す気の王家にヤシュナは切れた。王家に対するざまぁの準備は着々と進んでいる。

離縁を告げに

豆狸
恋愛
「バーレト子爵、ファティマを呼び捨てにするのは止めてくれないか」 「止めるのは君のほうだろう。ファティマは私の妻だ。妻を呼び捨てにしてなにが悪い」 「……ヒカルド様? 私達は二年前に離縁していますが」 なろう様でも公開中です。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました

ララ
恋愛
3話完結です。 大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。 それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。 そこで見たのはまさにゲームの世界。 主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。 そしてゲームは終盤へ。 最後のイベントといえば断罪。 悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。 でもおかしいじゃない? このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。 ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。 納得いかない。 それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

悪役令嬢は毒を食べた。

桜夢 柚枝*さくらむ ゆえ
恋愛
婚約者が本当に好きだった 悪役令嬢のその後

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。