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春が来た! 58

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でもお母様の怖さはそこじゃないと思うのよね。お母様は一度敵認証すると徹底してると言うか……ね。
決して手を緩める事無い部分があるのよね。滅多に敵対する様な方には会わないけど、もしそんな方がいたら大変だと思うのよね。

「いずれ独立するのだし、帝国王国の貴族令嬢を身内に入れるのは政略的にも間違いないよな」

「ん?んー……そうね。でもトールお兄様は隣領のヒルダとは昔から知り合いだったし、キャスバルお兄様は長い事婚姻には無頓着と言うかレイがいたからね……」

「あー……側近ね……」

「ええ、側近よ」

「友達以上恋人未満じゃないけど、こう……難しいよな」

「そうね。でも変なトラブルにはなってないし、良いかな?って思うわよ」

「……そうだな。色々考えると、まぁ納得は出来るんだよな……」

前世であれば男色と言うか、BLは男性側から見ればウゲェな感じだと思うし他領の子息も受け入れにくい現実問題なのよね。
ただ……そう、ただ我が領ではこれが当たり前で受け入れるしかない問題だったというだけの事だった。
それはきっと帝国側の辺境侯爵家も同じ筈。
女性一人いるだけで魔物に襲われる可能性が跳ね上がる……所か、ほぼ確実に襲われる事が判明した以上討伐な行く時は女性厳禁。
今までも女性がいると被害が大きいから禁止にしていただけだけど、魔物が女性を襲うと分かった以上厳禁になるのは仕方ない事。
ストレスも凄いし、精力を持て余してる若者も多い職場ではね……うん、秩序が乱れない程度に何とかするのも大事よね。
何百何十年と続いた事な今さらどうこう言う輩はいない。いや、言う人はいるけどそれは兵士とは関係ない職業の人が呟く位。

「納得出来る様にはなったのね」

「ああ……一ヶ月所か半年にも及ぶ討伐期間があったら流石にな。幾ら衣食住がある程度保障されててもマスかきで誤魔化すのはキツいだろ。しかも他の天幕じゃあヤッてる状態とかさ……やっぱキツいしな」

チラリとキースを見るルークはイケメンでちょっとエロいなぁ……とか思ってしまった。

「少し……エリーゼに似てるのが決め手だったんだ……」

耳元で囁かれて、私も思わずキースを見てしまった。
あー……うん、似てるって言われてちょっとだけ納得してしまった。
体型とかは全然違うんだけどね。
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