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春が来た! 52

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確かあの時は冬物だけだったような気がする……まだ渡せる物があるなら渡す様に手紙を出しておかないと……
後、アンネローゼ様とミネルバ様にはお祝いの品と日持ちする甘味と……後は何が良いかしら?とにかく贈り物をしたいわね。
いつもいつも同じ様な甘味ばかりでは飽きてしまうわよね……そうだわ、バター飴とか栄養豊富で良いわよね。うん、バター飴作ろう!
他にも栄養豊富で食べ良い物も送りたいわ。
今の王都がどうなってるのか不安だわ。情報も上手くシャットダウンされてるようだし……
お父様もお母様もその辺り、大変上手でらっしゃるから……

「エリーゼ?」

ハッ!考え事しててルークの事ちょっと忘れてたわ!

「ああ……ご免なさい。色々考えてたの……」

「いや、良い。乙女ゲームの分かりやすくて良く見える部分だけを見たら、それはそれなりに楽しそうに見えるけど実際問題そんなに楽しくもないし良い訳じゃないからな」

「そうなのよね……物語の目出度し目出度しはそこまでは目出度いよね?って事だもの。本当の困難はそこから始まるって言うね……」

「ま、あれだ。恋のスパイスは困難が付きものって言う典型パターンだけど、身分に相応しいマナーなり何なりを急ピッチで身に付けないとダメだぞって言うのがね……ネックだよな……」

「そうなのよね……日本は一応身分制度が無い国だったから……」

ほんのちょっと前までだけど。そのほんのちょっと前からうんと前には身分制度があったのよね。

「それな。身分制度に人種差別に性差別……日本以外は結構厳しい国ばっかなんだよな……平和だったよな、日本」

「そうね……」

この辺りは難しい問題山積みだったけど、意外と大変な国ばっかりだったのよね……

「それでも帝国もシュバルツバルト領も良い国だと思うな。特にシュバルツバルト領は良くやってる」

「そう!そう思うわよね!」

「ああ。少し思う所はあるけど、女性と子供への暮らしのバックアップは凄く良いと思う」

「少し思う所?何かしら?」

引っ掛かりを感じたから聞きますよ!

「あー……再婚推奨とか……シングルで頑張りたい女性はいないのかな?って」

「それはいると思うわよ。そういう女性もちゃんとバックアップしてるわよ、施設も仕事もあるもの」

ホッとした顔をしたルークに、まだその辺り説明不足だったのかと反省ですわ!
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