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嫁入り支度 90
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やがて馬車が止まったのはメインストリートとなる街道で、エリノユの街へ都向かう方向とは逆の王都へと向かう方向でした。全く通って無い方でしたから新鮮です!
石造りとはいえ、窓枠や扉はしっかりとした木製で窓の向こうに見えるカーテンは可愛らしく良さげな雰囲気が街道から見てとれます。
「ね、気になるでしょ」
「ええ!」
でもね、お母様……甘味処的なお店なら今の時間はお客様がいても不思議じゃないのに、全くお客様がいるようには見えないんですよ……定休日なのでしょうか?いえ、そんな訳無いですよね。
そう言えば、先ほどの雑貨店も私達以外にはお客様がいなかったけど……
「お母様、ひょっとして……」
「勿論、私達が行く事は先に使いを出してますよ」
ニッコリ笑顔で言われました!そうですよね、領主夫人とその娘が行くんですから一報いれますよね!何かあったら大変ですもんね!
「そうですよね。でも、楽しみにしてた方に申し訳ないですわ……」
普段のお店の様子とか見たかったのに……残念だわ。
「そうね。では今度はこっそり来ましょうね」
お母様だけじゃなくて、侍女トリオもニンマリしてます。あれ?ひょっとして私……何か言ってはいけない事を言ったのけしら?
「さ、フェリシア様もエリーゼ様も降りましょう。外でした困ってますよ」
エミリの言葉に私とお母様は顔を見合わせクスクスと笑う。
先にエミリが立ち上がり扉へと近づくと外から扉が開かれ、エミリを先頭に馬車から降りて行く。
そのままエミリにエスコートされるように店内へと入って行くお母様の後をついて、私とアニスも入って行く。
店内は若い女性が好むような、ピンクと赤と花柄模様で飾られていて各テーブルには小さな花瓶……さっきの雑貨店に置いてあったような花瓶が置かれ、小さな小花が飾ってあって……
まだ花が咲くには早いような時期なのに、もう咲いてる花があるのね……そう言えば前世も早い時期に咲く花をお寺さんに見に行ったわね……あの花に少しだけ似てる。
日当たりの良い場所なら気の早いスミレみたいな花も咲くのかしら?
「ふふっ……」
「あら、エリーゼ。どうしたの?」
「お母様、大した事ではありませんわ。本当に春が近づいているのだと花瓶を見て思っただけですもの」
「あら……そうね。でも本当の春は桃の花が咲く頃からよ、楽しみね」
お母様の目がやんわりと緩む。そっか……桃の花が満開になったら、どれ程壮観なのかしら……
石造りとはいえ、窓枠や扉はしっかりとした木製で窓の向こうに見えるカーテンは可愛らしく良さげな雰囲気が街道から見てとれます。
「ね、気になるでしょ」
「ええ!」
でもね、お母様……甘味処的なお店なら今の時間はお客様がいても不思議じゃないのに、全くお客様がいるようには見えないんですよ……定休日なのでしょうか?いえ、そんな訳無いですよね。
そう言えば、先ほどの雑貨店も私達以外にはお客様がいなかったけど……
「お母様、ひょっとして……」
「勿論、私達が行く事は先に使いを出してますよ」
ニッコリ笑顔で言われました!そうですよね、領主夫人とその娘が行くんですから一報いれますよね!何かあったら大変ですもんね!
「そうですよね。でも、楽しみにしてた方に申し訳ないですわ……」
普段のお店の様子とか見たかったのに……残念だわ。
「そうね。では今度はこっそり来ましょうね」
お母様だけじゃなくて、侍女トリオもニンマリしてます。あれ?ひょっとして私……何か言ってはいけない事を言ったのけしら?
「さ、フェリシア様もエリーゼ様も降りましょう。外でした困ってますよ」
エミリの言葉に私とお母様は顔を見合わせクスクスと笑う。
先にエミリが立ち上がり扉へと近づくと外から扉が開かれ、エミリを先頭に馬車から降りて行く。
そのままエミリにエスコートされるように店内へと入って行くお母様の後をついて、私とアニスも入って行く。
店内は若い女性が好むような、ピンクと赤と花柄模様で飾られていて各テーブルには小さな花瓶……さっきの雑貨店に置いてあったような花瓶が置かれ、小さな小花が飾ってあって……
まだ花が咲くには早いような時期なのに、もう咲いてる花があるのね……そう言えば前世も早い時期に咲く花をお寺さんに見に行ったわね……あの花に少しだけ似てる。
日当たりの良い場所なら気の早いスミレみたいな花も咲くのかしら?
「ふふっ……」
「あら、エリーゼ。どうしたの?」
「お母様、大した事ではありませんわ。本当に春が近づいているのだと花瓶を見て思っただけですもの」
「あら……そうね。でも本当の春は桃の花が咲く頃からよ、楽しみね」
お母様の目がやんわりと緩む。そっか……桃の花が満開になったら、どれ程壮観なのかしら……
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