883 / 1,359
連載
嫁入り支度 60
しおりを挟む
「出来上がりでございます」
アニスの言葉にニッコリと微笑む。鏡の中の私が華やかな笑顔で何だかテンションが上がる。
「ありがとう、今日も良い出来上がりだわ。では朝ご飯に行きましょうか」
立ち上がればアニスがドレスの裾を直してくれる。アニスがドレスコートを手に持ち側近くまで来るのを待つ。
化粧台の上に置かれた扇を手に持ちゆっくりと歩き出す。カワイコちゃん達がゾロゾロとついてくる。
部屋を出て、食堂に向かう。
エントランスホールでドレスコートをドアマンに預けに素早く私の所に戻ってくる。
いつもの様に食堂に入り、席につく。カワイコちゃん達も自分達の席につくと、大人しく待っている。
食堂には私一人でルークも家族もいなかった。昨日、深酒してたから?まさかね……
「今日は皆遅いのね」
いや、でもお母様とは朝一緒に走ったんだからお母様がそろそろ来てもおかしくないのだけど……
「エリーゼ、おはよう」
「ああ、おはようルーク」
ルークがやって来ました。
「にいに!おはようピカァ!」
ルチルが小っちゃい足でトタタタタとピカ太郎の向かって走って行きました。ルークの横で「ルチル……」って呟いたノエルがションボリしてます。同じ兄ポジションにいるピカ太郎とノエルの微妙な気持ちが出ちゃってます。
隣の椅子に座ったルークの顔はいつもと同じ……同じかしら?んー……?
「何か良い事でもあった?」
ルークの笑顔がちょっとだけはにかんでる様で少し可愛い。
「今かな?」
「今?」
ニッコニコですよ。今、良い事?
「二人きりだろ。もう少ししたら、二人きりの朝を迎えるだろ。この状態の朝を想像したら嬉しくて」
!!何ですと!ルークったら、ルークたらっ!もう!……でも、そうよね。こんな風な朝、二人きりで朝ごはん食べたりするのよね……私達。
「今日は可愛い格好だな、凄く似合ってる」
「本当?今日初めて袖を通したの。春っぽい色柄でテンション上がっちゃった」
ルークの優しい眼差しとかドキドキしちゃう。
「いつもドレスでも良いと思うけど、昼間あれだけ動いてたらドレスはキツいよな。今日は浅から見れてラッキーだけど」
「ほら、今日はお母様とずっと一緒だもの。やっぱりドレスでないと」
「そうだったね。楽しんで来ると良いよ、俺も少しやる事あるから」
やる事?
「そうなの?」
「ああ……ちょっと夫人に頼まないといけないが、侍女殿でも大丈夫だろうしな」
侍女?エミリ達か……帝国への便り……だよね。
「そうね、スムーズに行くと良いわね」
大丈夫だと思うけど、お母様達がどれ程動いてるのか分からないのが困るわね……
アニスの言葉にニッコリと微笑む。鏡の中の私が華やかな笑顔で何だかテンションが上がる。
「ありがとう、今日も良い出来上がりだわ。では朝ご飯に行きましょうか」
立ち上がればアニスがドレスの裾を直してくれる。アニスがドレスコートを手に持ち側近くまで来るのを待つ。
化粧台の上に置かれた扇を手に持ちゆっくりと歩き出す。カワイコちゃん達がゾロゾロとついてくる。
部屋を出て、食堂に向かう。
エントランスホールでドレスコートをドアマンに預けに素早く私の所に戻ってくる。
いつもの様に食堂に入り、席につく。カワイコちゃん達も自分達の席につくと、大人しく待っている。
食堂には私一人でルークも家族もいなかった。昨日、深酒してたから?まさかね……
「今日は皆遅いのね」
いや、でもお母様とは朝一緒に走ったんだからお母様がそろそろ来てもおかしくないのだけど……
「エリーゼ、おはよう」
「ああ、おはようルーク」
ルークがやって来ました。
「にいに!おはようピカァ!」
ルチルが小っちゃい足でトタタタタとピカ太郎の向かって走って行きました。ルークの横で「ルチル……」って呟いたノエルがションボリしてます。同じ兄ポジションにいるピカ太郎とノエルの微妙な気持ちが出ちゃってます。
隣の椅子に座ったルークの顔はいつもと同じ……同じかしら?んー……?
「何か良い事でもあった?」
ルークの笑顔がちょっとだけはにかんでる様で少し可愛い。
「今かな?」
「今?」
ニッコニコですよ。今、良い事?
「二人きりだろ。もう少ししたら、二人きりの朝を迎えるだろ。この状態の朝を想像したら嬉しくて」
!!何ですと!ルークったら、ルークたらっ!もう!……でも、そうよね。こんな風な朝、二人きりで朝ごはん食べたりするのよね……私達。
「今日は可愛い格好だな、凄く似合ってる」
「本当?今日初めて袖を通したの。春っぽい色柄でテンション上がっちゃった」
ルークの優しい眼差しとかドキドキしちゃう。
「いつもドレスでも良いと思うけど、昼間あれだけ動いてたらドレスはキツいよな。今日は浅から見れてラッキーだけど」
「ほら、今日はお母様とずっと一緒だもの。やっぱりドレスでないと」
「そうだったね。楽しんで来ると良いよ、俺も少しやる事あるから」
やる事?
「そうなの?」
「ああ……ちょっと夫人に頼まないといけないが、侍女殿でも大丈夫だろうしな」
侍女?エミリ達か……帝国への便り……だよね。
「そうね、スムーズに行くと良いわね」
大丈夫だと思うけど、お母様達がどれ程動いてるのか分からないのが困るわね……
119
お気に入りに追加
16,846
あなたにおすすめの小説
聖女の姉ですが、宰相閣下は無能な妹より私がお好きなようですよ?
渡邊 香梨
ファンタジー
コミックシーモア電子コミック大賞2025ノミネート! 11/30まで投票宜しくお願いします……!m(_ _)m
――小説3巻&コミックス1巻大好評発売中!――【旧題:聖女の姉ですが、国外逃亡します!~妹のお守りをするくらいなら、腹黒宰相サマと駆け落ちします!~】
12.20/05.02 ファンタジー小説ランキング1位有難うございます!
双子の妹ばかりを優先させる家族から離れて大学へ進学、待望の一人暮らしを始めた女子大生・十河怜菜(そがわ れいな)は、ある日突然、異世界へと召喚された。
召喚させたのは、双子の妹である舞菜(まな)で、召喚された先は、乙女ゲーム「蘇芳戦記」の中の世界。
国同士を繋ぐ「転移扉」を守護する「聖女」として、舞菜は召喚されたものの、守護魔力はともかく、聖女として国内貴族や各国上層部と、社交が出来るようなスキルも知識もなく、また、それを会得するための努力をするつもりもなかったために、日本にいた頃の様に、自分の代理(スペア)として、怜菜を同じ世界へと召喚させたのだ。
妹のお守りは、もうごめん――。
全てにおいて妹優先だった生活から、ようやく抜け出せたのに、再び妹のお守りなどと、冗談じゃない。
「宰相閣下、私と駆け落ちしましょう」
内心で激怒していた怜菜は、日本同様に、ここでも、妹の軛(くびき)から逃れるための算段を立て始めた――。
※ R15(キスよりちょっとだけ先)が入る章には☆を入れました。
【近況ボードに書籍化についてや、参考資料等掲載中です。宜しければそちらもご参照下さいませ】
悪役令嬢?何それ美味しいの? 溺愛公爵令嬢は我が道を行く
ひよこ1号
ファンタジー
過労で倒れて公爵令嬢に転生したものの…
乙女ゲーの悪役令嬢が活躍する原作小説に転生していた。
乙女ゲーの知識?小説の中にある位しか無い!
原作小説?1巻しか読んでない!
暮らしてみたら全然違うし、前世の知識はあてにならない。
だったら我が道を行くしかないじゃない?
両親と5人のイケメン兄達に溺愛される幼女のほのぼの~殺伐ストーリーです。
本人無自覚人誑しですが、至って平凡に真面目に生きていく…予定。
※アルファポリス様で書籍化進行中(第16回ファンタジー小説大賞で、癒し系ほっこり賞受賞しました)
※残虐シーンは控えめの描写です
※カクヨム、小説家になろうでも公開中です
婚約破棄計画書を見つけた悪役令嬢は
編端みどり
恋愛
婚約者の字で書かれた婚約破棄計画書を見て、王妃に馬鹿にされて、自分の置かれた状況がいかに異常だったかようやく気がついた侯爵令嬢のミランダ。
婚約破棄しても自分を支えてくれると壮大な勘違いをする王太子も、結婚前から側妃を勧める王妃も、知らん顔の王もいらんとミランダを蔑ろにした侯爵家の人々は怒った。領民も使用人も怒った。そりゃあもう、とてつもなく怒った。
計画通り婚約破棄を言い渡したら、なぜか侯爵家の人々が消えた。計画とは少し違うが、狭いが豊かな領地を自分のものにできたし美しい婚約者も手に入れたし計画通りだと笑う王太子の元に、次々と計画外の出来事が襲いかかる。
※説明を加えるため、長くなる可能性があり長編にしました。
ざまぁ対象の悪役令嬢は穏やかな日常を所望します
たぬきち25番
ファンタジー
*『第16回ファンタジー小説大賞【大賞】・【読者賞】W受賞』
*書籍発売中です
彼氏にフラれた直後に異世界転生。気が付くと、ラノベの中の悪役令嬢クローディアになっていた。すでに周りからの評判は最悪なのに、王太子の婚約者。しかも政略結婚なので婚約解消不可?!
王太子は主人公と熱愛中。私は結婚前からお飾りの王太子妃決定。さらに、私は王太子妃として鬼の公爵子息がお目付け役に……。
しかも、私……ざまぁ対象!!
ざまぁ回避のために、なんやかんや大忙しです!!
※【感想欄について】感想ありがとうございます。皆様にお知らせとお願いです。
感想欄は多くの方が読まれますので、過激または攻撃的な発言、乱暴な言葉遣い、ポジティブ・ネガティブに関わらず他の方のお名前を出した感想、またこの作品は成人指定ではありませんので卑猥だと思われる発言など、読んだ方がお心を痛めたり、不快だと感じるような内容は承認を控えさせて頂きたいと思います。トラブルに発展してしまうと、感想欄を閉じることも検討しなければならなくなりますので、どうかご理解いただければと思います。
前世を思い出したのでクッキーを焼きました。〔ざまぁ〕
ラララキヲ
恋愛
侯爵令嬢ルイーゼ・ロッチは第一王子ジャスティン・パルキアディオの婚約者だった。
しかしそれは義妹カミラがジャスティンと親しくなるまでの事。
カミラとジャスティンの仲が深まった事によりルイーゼの婚約は無くなった。
ショックからルイーゼは高熱を出して寝込んだ。
高熱に浮かされたルイーゼは夢を見る。
前世の夢を……
そして前世を思い出したルイーゼは暇になった時間でお菓子作りを始めた。前世で大好きだった味を楽しむ為に。
しかしそのクッキーすら義妹カミラは盗っていく。
「これはわたくしが作った物よ!」
そう言ってカミラはルイーゼの作ったクッキーを自分が作った物としてジャスティンに出した…………──
そして、ルイーゼは幸せになる。
〈※死人が出るのでR15に〉
〈※深く考えずに上辺だけサラッと読んでいただきたい話です(;^∀^)w〉
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げました。
※女性向けHOTランキング14位入り、ありがとうございます!!
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
【完結】婚約者と幼馴染があまりにも仲良しなので喜んで身を引きます。
天歌
恋愛
「あーーん!ダンテェ!ちょっと聞いてよっ!」
甘えた声でそう言いながら来たかと思えば、私の婚約者ダンテに寄り添うこの女性は、ダンテの幼馴染アリエラ様。
「ちょ、ちょっとアリエラ…。シャティアが見ているぞ」
ダンテはアリエラ様を軽く手で制止しつつも、私の方をチラチラと見ながら満更でも無いようだ。
「あ、シャティア様もいたんですね〜。そんな事よりもダンテッ…あのね…」
この距離で私が見えなければ医者を全力でお勧めしたい。
そして完全に2人の世界に入っていく婚約者とその幼馴染…。
いつもこうなのだ。
いつも私がダンテと過ごしていると必ずと言って良いほどアリエラ様が現れ2人の世界へ旅立たれる。
私も想い合う2人を引き離すような悪女ではありませんよ?
喜んで、身を引かせていただきます!
短編予定です。
設定緩いかもしれません。お許しください。
感想欄、返す自信が無く閉じています
いずれ最強の錬金術師?
小狐丸
ファンタジー
テンプレのごとく勇者召喚に巻き込まれたアラフォーサラリーマン入間 巧。何の因果か、女神様に勇者とは別口で異世界へと送られる事になる。
女神様の過保護なサポートで若返り、外見も日本人とはかけ離れたイケメンとなって異世界へと降り立つ。
けれど男の希望は生産職を営みながらのスローライフ。それを許さない女神特性の身体と能力。
はたして巧は異世界で平穏な生活を送れるのか。
**************
本編終了しました。
只今、暇つぶしに蛇足をツラツラ書き殴っています。
お暇でしたらどうぞ。
書籍版一巻〜七巻発売中です。
コミック版一巻〜二巻発売中です。
よろしくお願いします。
**************
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。