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嫁入り支度 38

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「エリーゼ、騙されるな。ジュースと違うの承知で飲んだんじゃないのか?」

冷静なキャスバルお兄様が突っ込んでくれました。あー……そうよね、多分前世で飲んでた筈なのよね……
ジトーッとルークを見やるが、プルプルと首を振る。あれ?確信犯じゃないの?

「キャスバルお兄様、ルークは違うって」

「そうみたいだな……」

どこか疑わしげな眼差しでルークを見ながら言うキャスバルお兄様……勘弁です。

「フフッ……キャスバル、その辺で許してあげなさいな」

「母上は明日エリーゼとずっと一緒なのでしょう!」

そこか!重度のシスコンお兄様は私とお母様のお出かけにシット!してたようです。
だからってルークに当たるのは違うと思うの。

「キャスバルお兄様……私とお母様が一日過ごす事の何が問題ですの?」

ホホホ……と微笑んでおく。
視線をキョロキョロと彷徨わせるキャスバルお兄様にそっちが確信犯か……とジトリと睨む。

「まぁ、エリーゼもそんなに怒るなよ。兄貴もエリーゼと一緒に一日過ごしたかったんだろ、仕事ばっかりだったもんな」

ドキリとする。その仕事の発生源は紛れもなく私なので!

「あ……えーと……キャスバルお兄様、近いうちに少し領都にでも行きますか?」

「良いな!一緒にどこにでも行けるぞ!」

「いや、駄目だから!」

「そうだ、駄目に決まってるだろうが!」

私の言葉に被るように言ったキャスバルお兄様に被せるように叫んだのはトールお兄様で、更に被せてきたのはお父様です。
大体どこにでもって、次期領主として仕事をしてるキャスバルお兄様が言ったらダメでしょうに。
ムゥ……と少し拗ねた顔になるキャスバルお兄様。今、レイがいない状況だとご機嫌直すの面倒である。
早く戻って来ないかな……うーん……仕方ない。

「キャスバルお兄様、少しでも早く多めに仕事を片付ければ一日は無理でも半日は時間が取れるんじゃありませんか?」

すぐさまキラーン☆とした笑顔になって私を見つめる。うん、マジで重度のシスコンお兄様ですね。

「そうだな!片付けれる仕事は先に片付けてしまえば時間が取れやすくなるな!」

よし!キャスバルお兄様のご機嫌がなおった!

「ホホホホホ……エリーゼはキャスバルの扱いを分かってるわねぇ」

あー……お母様、何でソレ言うのですかぁ!
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