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嫁入り支度 33

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結果止まりませんでした。
家族全員とその側近と侍女全員がヨイヨイで実に楽しそうです。ここにお祖父さまとお祖母さまがいなくて良かったです。

「良い酔い方だな」

「ホントね。お母様がご機嫌でお父様を呼んだらあっという間にお母様の隣に行って……凄く楽しそうに笑って話して」

お父様はお母様の隣でピッタリくっ付いて何やら喋ってる。
お兄様達は側近を交えて激論してる。難しい話しをしてるから近寄らないでおく。
私とルークは酔ってもいないし、アニスとキースはずっと見つめ合ったまま内緒話してる。
除け者って訳じゃないけど、イチャイチャしてても良さそうな状況です。

「ね、隣に来ない?ルークが来たら、向こうがあくからアニスがキースの隣に行くと思うの」

ニヤッと笑って立ち上がって私の隣に座る。ソファは大の男が三人座っても余裕の大きさなんでルークが私の隣に座った所で、アニスには当たりません。
てか、アニスがすぐに立ち上がってキースの隣に行って座りましたね。

「……改めて、乾杯」

「……乾杯」

なぜにブドウジュース入ったワイングラスをチン!と合わせるのか?雰囲気?雰囲気なの?

「あー……隣に座るって落ち着くな。この場所が正しいって感じる」

ルークの言葉にコクリと頷く。
何て言うか……ルークの体臭とか落ち着く。力強い腕とかも安心感あるし……
ポテッとルークの胸に頭を預ける。
トクトクと少しだけ早い心音を聞く。フワリと頭を撫でられ瞼を閉じて、ルークの温もりと音を堪能する。
あー……落ち着く……ルークも同じ気持ちなのかな?
撫でられ続けて顔が緩んでしまう。

「ん?眠たいのか?」

「違うの……何かここが落ち着くの……」

瞼を閉じたまま、ソッと吐いた言葉は本音で……一瞬撫でてた手が止まって、頭の天辺に柔らかくて温かい何かを感じたけどすぐにまた撫でられて……つい、スルリとルークの胸に頬を擦り付けた。

「猫みたいだな」

「にゃお~ん♡」

クスクスと二人で笑い合う。
カワイコちゃん達はサロンの中、呼ばれるままにあちこちで可愛がられてる。
温かい部屋で温かい家族と近しい人と共用してるこの時間が堪らなく幸せ。

「良い……家族だな」

「うん……大好き……」

それ以上何も言わずにいるルーク。
皇族として家族は多いけど、複雑なのを知ってる以上何も言えない。
私はルークとうんと幸せな家族を築き上げたい。その為の覚悟は出来てる。
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