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嫁入り支度 28

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「お待たせしましたか?」

冷え冷えとした食堂に朗々としたルークの声がしました!救世主現る!

「って寒っ!」

すかさず叫んだのもルークです。イケメンなのに残念な叫び(笑)分かりますよ、いつもならホカホカしてますもんね食堂。

「あら、まぁ……」

お母様のご機嫌がちょっとなおりました。声のトーンで分かります。

「今日はどうしてこんなに冷えて……」

「安心して!お母様がちょっとお父様に……」

「私は何もしておりませんわよ。ね、エリーゼ」

私もルークに被ったけど、お母様も私に被せてきました。しかも圧を感じます!

「はいっ!特に何もしてません!」

パッと立ち上がって背筋をピンと伸ばしスパッとキリッと言いました。
その姿を見たルークが何かを察してソッと目をそらして静かに席につきました。

「ご主人きたにゃ!」

飛び上がって喜ぶノエル。うん、分かりやすくて良いね。

「ノエル。ご飯が済むまで座っておく」

「はいにゃ!」

お!ルークがちゃんと指示出ししました。そしてピッと敬礼するノエル!何そのカッコ可愛い姿!うちのタマとトラジだって可愛いんだからね!

「俺達が最後だったみたいだぞ、トール」

「今日は皆、早かったな」

キャスバルお兄様とトールお兄様がやって来ました。
一気に食堂が賑やかになりました。

「本日はトゥナのソテーと焼き野菜、根菜のスープとパンでございます。食後にリンゴも用意しております」

うん、軽い。いつもはもっとボリュームありますからね、異常とも思える軽さです。

「む……今日はどうした?」

さすがにお父様が執事長に聞いてます。そりゃあ聞きますよね。私だって知らなかったら聞きます。

「はい。本日はエリーゼ様が夜食にラーメンを食べたいとの事で夕食は軽めにと仰っておりまして」

「なっ……なにぃ!」

「ラーメン……」

「夜食……」

お父様の後、トールお兄様とキャスバルお兄様が小さく発言いたしました。

「そうか。うむ、後ほどラーメンを食べるとあらば夕食が軽くても何等問題ない。始めてくれ」

丁寧なお辞儀をした執事長が色っぽい流し目で私を見たけど、それはスルーです!
……軽くとは言ったけど、分厚いマグロのステーキに焼き野菜が添えてあるだけなので全然軽く見えません。
パンもカゴで来てるから、本当に軽いつもりなんでしょうか?
いえ、軽いんです。
いつもはこの倍はテーブルに載っかってますから!
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