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嫁入り支度 21

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「それとだな、ドワーフの連中があの温室って言うのをこちらにも建ててくれないかと申し出てるが作れるか?」

お父様、真剣です。勿論、作れますよ!

「作れますが、どこに作れば良いのでしょう?」

まずは場所よ。うちの敷地は手つかずな所が多いけど……どうしたら良いのかは私では分からないのよ。

「それだがな、ドワーフの連中からは自分達の集落の裏に生えてる木々を倒して作ってくれないかって言い出してね」

「なるほど。なら明日にでもちゃちゃっと倒して作ってきます」

お父様がニッコリ笑顔で尊いです!それにしても……

「温室を作るのは良いのですけど、何を作るつもりなんでしょう?」

疑問です。だって農作物とかは領都の外縁部の農地か、エリノユの街でこれからじゃんじゃん作るし……

「連中は珍しい果樹や木の実とかを作りたいと言ってたな。まだまだ色々あるんだろう?」

バレてます。何がドワーフの人達の琴線に触れたのでしょう?

「後、木々は多めに倒してくれと言ってたな。何でも梅酒の為にどうとか言ってたからな」

梅酒!そうか、なるほど梅の木林も作らないとねー!うちの島にある梅の木は小梅と大梅と紀州梅と三種類あるけど、梅酒作るなら大梅と紀州梅植えないとね!少し、梅干しに回して貰おうっと。赤しそも畑でちょっとだけ栽培よ!……でも私の手でちゃんと色が出るか、そこが心配だわ……まあ、多少色が薄くても昔ながらの梅干しなら保存食として問題ないし構わないわね。
あー……でも小梅でカリカリ梅も捨てがたい!材料も手に入るし普及して寒くなったらカリカリ梅を摘まみに焼酎飲むのも良い筈!いや、普通の梅干しを焼酎のお湯割りに入れて飲むのも良いけどね。
……寒い時期に当たりめ炙りながら焼酎のお湯割り梅干し入りを飲む……ミニミニ火鉢で炙ったスルメの美味しさ……そうだ……晩ご飯の後、今日は久しぶりにミニミニ火鉢でスルメ出して炙って夜更かししよう。
で、シメにラーメンよ!やぁん♡罪作りなメニューになっちゃう!スルメ食べてる時は緑茶かウーロン茶を啜っておこう。

「ぬ?何か悪巧みか?」

お父様がニヤッと笑ってるけど、渋格好いいのでご馳走さま!と心の中で言っておきます。

「悪だくみなんかじゃありません。お話しはこれでお終いですか?」

「いや……まだあるんだが……」

何だか歯切れが悪いです。男らしくありません。
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