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嫁入り支度 18

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「そうですね。星空の様な紫紺のドレス等は如何でしょう?」

「あら!良いわね。エリーゼ様に似合いそうなお色だわ」

アニスよ……まんまとアンソニーの口車に乗ったわね。いや、あえてか……紫紺のドレスね。確かにあった。それに合わせた様なお飾りも靴もあった。
キャスバルお兄様、揃いでオーダーしたのね。
そう言えば、無限収納にもドレスとかワンピースとか色々あったっけ……チビナビちゃん達作のドレスって、現代日本に流通してたウェディングドレスとかお色直しに着る様な華やかなドレスばっかりっぽかった気がするのよね。
お着物も四季柄から季節柄、無地に小紋に絞りまであったな……待って……あの小さなチビナビちゃん達が作る絞りって……
ゾクリとする。お母様のツテで来た職人達のお着物もあるし、お飾りだって履き物だって……まさかと思うけど競い合う様に作った訳じゃないわよね……

「ドレスは決まったし、そろそろ戻りましょう」

歩き出して部屋から出る。長い廊下を進むと、渡り廊下へと繋がるロビーに数名の男女が頭を下げていた。
この頭を下げている男女が新館の使用人達の代表になるのね……とチラリと見て渡り廊下へと進む。
彼等彼女等の直接の上司はアニスとキースで私とルークじゃない。
執事はキースの部下になる訳だし、中々大変なのだ!
私の一歩後ろで胸を張ってついてくるアニスをチラリと見て、可愛いだけじゃない。専属侍女としての立場を感じてるのか、どこか威厳を感じさせる顔にも見えた。
更にキースを見れば緊張気味だけど、来るときの様に気配を消し影の様に付き従っていた男とは思えない程頑張ってる。
ルークは何一つ変わってません。ナチュラルに皇子様オーラをダダ漏れにして歩いてます。
勿論、そんなルークの隣を歩いてる私もきっとお嬢様オーラが出てるに違いないと信じて歩いてます。
長い渡り廊下のガラス窓から外を見れば、刈り込まれた低木の模様が見える。冬でも葉の散らない低木は濃い緑でその中央には大きな噴水が配置されている。
渡り廊下をセンターとして左右でシンメトリーに配された植え込みはとても上品で一年中私達の目を楽しませてくれるに違いない。

「どこをどう見ても城にしか見えないな」

「元々はお城だったから、増築分もお城になっちゃうんでしょ。それを言ったらお終いよ」

「だな」

本館がお城なら増築しまくって更に巨大化したんだから、どうしてもお城になるのは仕方ないわよねー!
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