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嫁入り支度 6

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広ーい居間で一息入れた頃合にコンコンコンとノックの音がした。お!エルフとドワーフかな?

「どうぞ」

違った!ん?料理長とジムじゃん、どうした?

「この度、新館の料理長となりましたジム・カーターです」

あれー……マジでーすーかー……え?でも本館は良いの?ペコリと頭を下げたジムは滅茶苦茶嬉しそうです。

「そう。よろしくね」

「はいっ!」

チラッと料理長を見る。何でいるかな?

「改めてご挨拶に参りました、ドレイク・ブッフ総料理長でございます。主に新館にて料理の研鑽を行いますので、これからもよろしくお願い致します」

ちょっと待て!二人して本館ぶっちして新館来ちゃったの?それで良いの?

「何、ご心配には及びません。必要とあらばあちらに参りますから」

おーぅ……料理長マジかぁ……

「あー……ええ、そう……よろしくね……」

何を言えば良いのか……

「では、婚姻式からはこちらに参ります。その日が今から楽しみです。では、これにて失礼致します」

料理長とジムがペコリと頭を下げて出て行った。……そうか、婚姻式済んだらあの二人が新館の厨房を取り仕切るのか……え?嵐の予感しかしない……

「まさか二人して来るとはな……」

ルークも同じ意見でした。意外と言えば意外、でも納得と言えば納得。
出てすぐにまたもノック音。今度こそか?
入って来たのはエルフの男性二人とドワーフのオッチャン二人。ドワーフは見た目がオッチャンだから、ひょっとしたら若いのかも知れないけど年齢不詳だよね。いや、エルフもだけどね。

「お待たせしましたか?」

物腰柔らかなエルフの男性が話し掛ける。先に声を発したということは、この人の方が立場が上なのね。

「いえ。時間が惜しいので早速話しを進めましょう」

そう言って立ち上がる。だって部屋はここだけじゃ無いからね!
で、まあルークと二人して壁……紙じゃないです布です。とかカーテンとか設置する家具の色目とか色々じゃんじゃん決めていきます。
と言うか、居間とかはルークがメインでサクサク決めてくれました。帝国風の造りの為かルークの方がセンス良く決めてくれました。
どうせなので居間とか共同の施設……居間とトイレしか無かった!
え?夫婦の寝室ですか?実は無いのです。お父様とお母様にもありません。
行きたい時に先触れを出して寝室に向かうのです。なので嫌な時はお断り出来るのです。
初夜の時だけは客室の寝室を使うのです。
そして初夜はクリーンの魔法とか使えないのです。……処女でした。ちゃんとデキました。って証拠を残さないといけないので。
貴族令嬢って大変ですね。でも証明方法無いから耐えるしかありません。恥ずか死ねる……
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