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新天地を! 234

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チラチラと家族全員の顔を見る……皆真面目な顔でした。
え……本気なの?

「ハインリッヒ。まだまだ冬は終わりませんわ。王都から民達が来る間……いえ、エリーゼの婚姻式までは王国にいませんと」

お母様?

「帝国からすればエリーゼは王国民でしょう?それに帝国に行ってる間に何かあったら困るでしょう。ですから帝国から帰って来てから正式に国王陛下に申し出ましょうね」

決定事項の様に言われました。でもお父様もお兄様達も何も言わないという事は異議無し!という事なんですね。
そしてルークも何も言わないという事はルークも異議無し!なんですね。

「忙しいですね……春にはキャスバルお兄様の婚約者様が来るし、私とルークの婚姻式があって……ってキャスバルお兄様の婚約者様は私とルークの婚姻式に出られるのかしら?」

「あら?そうね。そこは失念していたわ。ではあちらに手紙を出して正式に婚姻式に招待致しましょう。義理とは言え姉妹になるのだから」

お母様……忘れてたんですか?それとも天然ですか?でも……

「お母様……姉妹とは……え……とキャスバルお兄様の婚約者様だからお姉様って事になるのかしら?」

「あら?あらあらあら……そうねぇ……でもお年はエリーゼ、貴女の一つ下なのよ。そうねぇ……お会いした時に決めれば良いんじゃないかしら?」

お母様、そんな小首を傾げて可愛らしく言ってもダメです!

「分かりました。お会いした時にお話しします」

性格の良い方である事を祈ろう!もし性格悪かったらどうしよう……腕力でどうこうとか令嬢にはキツいだろうし、話し合いでどうにかなりますように!

「俺は会った事は無いが悪い噂も聞かなかったし、家族とも仲が良くきちんとした令嬢だと……聞いた覚えがある」

不確か!しかもボンヤリ!何なの、そのフンワリした話しは!

「ホホホ……エリーゼ、心配しなくても大丈夫よ。中々愉快な令嬢の様だとだけ言っておくわ」

お母様の前に新しい紅茶とぼた餅が置かれたからなのか、その愉快らしい令嬢の事を思い出したのかご機嫌に笑うお母様の顔が気持ち黒い気がするのは気のせいとしておきます。
それにしても愉快ね……私の評価も愉快じゃないのかしら?でもお母様は何を知ってるのかしら?気になるわ……
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