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新天地を! 220

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カリッ……コリッ……
カリカリッ……ガリッ……
パリッ……モッモッモッ……

ルークとノエルが食べるアーモンドチョコレートの音とルチルが食べる鷹の爪の音が聞こえる。
ピカ太郎は私の膝の上が嬉しいらしく、尻尾をフリフリしてご機嫌だ。
こうしてるとぬいぐるみみたいで可愛いのにね。
ムニムニとふくらはぎに当たってきたスラ道がどこか不機嫌な顔になってきてる気がする。

「主よ、そろそろピカ太郎を帰して貰おう。女子の膝の上でデレデレと締まりの無い顔をするとは騎士道の何たるかを分かってない」

出たよ。スラ道のヘンテコリンな騎士道精神。
とにかくピカ太郎を帰して欲しいんだね……膝の上のピカ太郎はイヤイヤと首を横に振ってアピールしてるけど……スラ道の上の方が面白そうだから返そう。

「はい。スラ道」

ヒョイと両脇に手を差し込んで足元にいるスラ道の上にヒョイと乗っける。

「いやピカ~!」

「うむ!さすが主は分かってる!」

残念がるピカ太郎とご機嫌になったスラ道。いや、そろそろ晩ご飯だしピカ太郎はスラ道に乗っかるべきでしょう。

「食べ終わってしまった……」

「え?」

ピカ太郎を構ってる間にルークはチョコレートを食べ終わってしまいましたとさ。
……いや、チョコレートが基本少ないものね。
私も滅多に出さないし……

「晩ご飯前だし、これ以上はダメよ」

「分かってる……ただ、アーモンドチョコレートもマカダミアナッツチョコレートは久しぶりだったから……」

「そうよね……」

うん、私も久しぶりだったわ。

「所でキースはどうしたの?」

「ああ。キースは自分の分の報告書を書いてる。まだ羊皮紙だがコレばっかりは経験がモノを言うな」

さすが皇子様だった人は言う事が違う!幼少の頃から羊皮紙使って勉強とかしてたに違いない!
いや、私もだけど!
春になって木々が分かり易くなったらコウゾの木を狙って移植しよう。和紙はコウゾとミツマタだけどコウゾの方が実も美味しいからコウゾを増やして和紙を作る!
いや、杉でもなんでもかんでも作れるけど作りやすさではコウゾとミツマタだと思うのよね。
和紙作りもエリノユで行う事になるのかしら?土地とかの関係上。
新しい果樹に砂糖に温室……大した収入源になるんじゃないかしら?
スーパー銭湯だって一度利用したら何度も利用するんじゃないかしら?
領都から近いし日帰りで行き来する馬車とかあったら賑やかになりそう……
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