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新天地を! 210

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「夜着ではありませんよね……」

鬼気迫る顔とゾワリとする様な声が私達を捉えました!怖いよ~!

「えっ……ええ……」

「では見せて下さい」

キッパリハッキリ言われました。
コクコクと頷き無限収入リストから『夜着』の所から一枚ずつ出して見せました。
スケスケネグリジェとかもあって内心ヒエ~ッてなったけど、そこはグッと我慢しました。

「まあ!なんて扇情的なのかしら!」

「見て!こっちなんて卑猥よ!」

「これでその気にならない殿方いたらぶん殴って良いと思うわ!」

「本当よ!手触りも最高だわ!」

もはや女子高生の様だ……

「エリーゼ様……あれは私も欲しいです……」

えっ?!アニスのジト目が突き刺さります!

「わっ……分かったわ、アニスの分もちゃんと作って……」

「私達も挑戦致します!ついてはこの素晴らしい品々をお手本としてお借りしたいのですが!」

血走った目で言わないでぇ……貸すから……どれだけお手本にしても良いから……

「ええ……勿論よ。いえ、お手本として置いといて頂戴。何ならバラして見ても良いわよ」

だって……ねぇ。ブラジャーとか気になるでしょう?基本的にはコルセットがあるんだからブラジャーも作れると思うのだけど。

「「「「「ありがとうございます!」」」」」

熱量が凄い!

「素晴らしい……より女性らしい美しい装いと言うものができるわ……」

工房長の呟きがガチデザイナーみたいで怖かったです。
この工房長に無限収入に入ってる靴とかお飾りとか着物とか見せられない……

「この夜着も凄いですけど、細い天蚕糸で作る事でここまで軽やかで艶やかな物が出来るとは……」

「そうです!刺繍も細い天蚕糸で細かく刺してるからこそ繊細で美しい花々がまるで本物の様に見えて……」

賞賛ばかりです。きっとチビナビちゃん達も喜んでくれるに違いありません。

「私達もこの素晴らしい品々に負けない物を作りましょう!」

「「「「「はいっ!」」」」」

アレ?コレって職人魂に火を着けたの?

「エリーゼ様……やっちゃいましたね」

トホホでござる。ニンニン。

「でもお母様は喜んでくれると思うわよ……これだけ色々あれば……」

お母様の事だからランジェリーも夜着もガンガン注文かけそうよ……

「アニス。ドレスの形を頼んで戻りましょう……」

「はい……」

工房長に頼んだのは伝統的なシュバルツバルト風のドレスで後ろの裾を引き摺るように長めにした物にしました。
期間も十分あるので問題無く出来るとの事でした。
私もアニスもどこか疲れた顔で工房から出て天蚕の巣へと向かう。
楽しげなカワイコちゃん達とちびっ子サテュロスとチビ天蚕を私達はボンヤリ見つめてしまいました。
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