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新天地を! 202

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ルーク達と別れてエントランスホールでコートを着せて貰い、アニスと一緒に外に出る。
テクテクと外からぐるりと大回りしてエルフの集落へと向かって行く。
ショートカットコースとしては一番新しい館へと移動して裏庭へと抜ける扉から出て行けば良いのだけど、この本館から別館へと抜けて更に新館へと行くのに靴も扉を開閉して貰うのがちょっと面倒。
冬の外気は冷たいけど歩くと少しポカポカしてきて良い。それにちょっとした運動にもなるしね。

「エリーゼ様、聞いて下さいよ~」

ニコニコしてるアニスは余程何か言い事があったようね。

「いいわよ。なぁに?」

「春になったらエリーゼ様とルーク様婚姻式じゃないですか~それでですね、その数日後私達も簡単でも良いから婚姻式あげようって言ってくれたんですよ~」

!!!!なっ……なにぃっ!私のアニスと簡単な婚姻式だとぉ!

「ダメよ……」

「え……?」

一気にアニスの顔色が悪くなる。

「ダメに決まってるでしょう!何よ可愛いアニスの婚姻式を簡単にとか!今日はアニスも採寸よ!私婚姻式の支度は着実に進んでるけどアニスはまだでしょう!どうせだからアニスの婚姻式のドレスも頼みましょう」

だって可愛いアニスのハレの日に簡素なドレスとか私が嫌よ!アニスには可愛らしいヒラヒラのドレス着せたいわ!

「え……でも私……そんな……」

「良いのよ!私が作るんだから!」

そうよ!私のを作るついでに頼むだけの事よ!……嫌がられるかしら?でも女子同士でキャッキャ言いながらドレスのオーダーするとかちょっと夢ある……
出来ないけど姉妹コーデとかお揃とか色違いとかさぁ……令嬢同士だとライバルですが何か?みたいな事になるけど侍女ならそこまで行かないと思ったり……しないかぁ。
テクテク歩いて行くと違和感バリバリな湯の館の正面玄関が朱塗りの橋の向こうに見える。
うん、ここだけ違和感パナイです。
でも夜提灯でライトアップされた湯の館は異国情緒溢れてて気に入ってるのよね。
こう……日本とアジアが混ざり合ったような雰囲気が。

「そう言えば湯の館、使用された者皆気に入ったみたいですよ。疲れが取れるって。私はエリーゼ様と一緒にお部屋で湯浴みしてますが、使用人棟の皆は時々使ってるって聞きました」

「そう。疲れが取れるのは良い事だわ。翌日の仕事が捗るって事だもの」

うん。疲れをリセットして清々しい気持ちで仕事したら捗るよね!
橋を渡らずグルリと池をの周りを歩いて行くと天蚕達の巣が見えてくる。
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