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新天地を! 196

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結局三十分以上ダラダラと過ごしてから湯浴みをし、寝室へと移動した。

「はやくねるにゃ!」

「タマ?」

「そうにゃ!」

「トラジ……」

ニャンコから催促されました。
あらあら、どうしたのかしら?

「ふふっエリーゼ様、そんな顔なさってどうしました?」

「えっ!いつもこんな事言わないのに珍しいと思って」

ベッドに上がってセンターへと這って移動して毛布の中に潜り込む。

「あら?エリーゼ様……」

「何?どうかしたの?」

「少しお尻が丸くなったような……」

「えっ!やだ!太った?」

バッ!と毛布の中、四つん這いになって自分のお尻を触って確認する。

「ヤダッ!本当……なんか肉付き良くなってる……」

「気にする程では無いと……その年頃ですし、女性らしくなったと……」

ホルモン?ホルモンバランスで丸みを帯びたって言いたいの?

「腰回りは?腰回りはどうなのっ!」

毛布を捲って膝立ちになってアニスを見る。
アニスが真剣な顔でジロジロ見てくるけど、気にするものでもない。
子供の頃から真っ裸を毎日見られてるし、体の隅々まで見るのが専属侍女の仕事の一つでもあるのよ!湯浴みで洗ってくれるのもアニスなんだから、恥ずかしいなんて思ったりしないんだから!

「大丈夫です!むしろ腰回りは細くなってると思いますよ!」

「そうよね……そう言われれば最近ドレスの腰回りが楽なような気がするわ……」

うん。コルセットで搾ってるとはいえ、ここ数日のドレスのウエストはちょっとラインが乱れてるような気がする……

「明日は何も予定がございませんし、一緒にエルフの集落に行きましょうか。今あるドレスはお針子に詰めて貰いましょう」

「えっ!」

ほんの一センチとか二センチの話しでしょ?詰めるとか本気で言ってるの?

「コルセットで搾ってるんですよ。それも緩めに。これからはちゃんと搾りますから」

ああ~……しまった~……

「なので、もっと腰回りの布が弛むって事ですので」

うう~……最近優しかったのにぃ……
もぞもぞと毛布の中に潜り込み半ベソ気分でいたらタマとトラジが両脇に潜り込んで来て、モフモフの温かい体がお腹の辺りにピタリとくっ付いて来る。
温かくて柔らかい体が気持ちをホンワカさせてくれる。

「フフッ……今日はタマちゃんもトラちゃんも甘えちゃってますね」

そう言いながらモゾモゾとトラジの隣に潜り込んで来るアニスはニコニコしてる。

「エリーゼ様はますます女性らしく美しさに磨きが掛かって来たって事ですよ」

「そうね。そう取っておくわ」

そう言って二人してクスクスと笑い合う。
寝室の灯りが落とされ薄暗くなる。
今日も一日頑張った……お休みなさい……
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