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新天地を! 176

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「さて、石窯は無事出来ました!問題はピザ生地です。具材はどうとでもなります」

キョトンなルークが可愛らしく首を傾げてますが、イケメンパワーで乗り切ろうってソウは行きませんよ!

「パン生地使えば良いんじゃないか?」

「勿論問題ありません。薄く伸ばして使えば問題無いでしょう。ですがあの厚みのあるモッチリした生地も捨てがたいのです……」

「難しいのか?」

「……知識はあるのだけど作った事は無いのよ……」

「じゃあ手立ては無いのか……」

ん?待てよ。知識があるって事はひょっとして……

「ちょっと魔ってね。無限収納に何かあるのかも」

そう言って無限収納リストを呼び出してチェックしてく。
食べ物のリストはぶっちゃけ多い。それこそチビナビちゃん達が年がら年中、年中無休で何かを作り続けている為じゃんじゃんリストが増えていってるのだ。

「あった!えーと……イースト(生)とイースト(ドライ)……あるのは良いけど、どっちがどう……っとちょっと詳細を見てっと……ウンウン……これはジム案件!チビナビちゃん達が作れたなら、作り方をジムに伝授すれば無問題だわ!」

「自己完結ですか、そうですか……」

「あ、ゴメーン!でも、何とかなるわよ!」

「そうか……」

良し!そうとなったら今からジムの所に突撃だぁーっ!

「早くジムの所へ!でないと晩ご飯が無駄になっちゃう!」

「おっ!そうだな!」

走り出した私をルークとカワイコちゃん達が追い掛けて来る。
これはアレだ!捕まえてご覧なさーい♪ってやつだ!
脳内でキャッキャウフフな妄想を一瞬するけど、すぐに厨房の外扉へと到着してしまった。
ドンドンと扉を叩くと下っ端若手料理人が扉を開いてギョッ!としてたけどお構いなしです!

「ジム!今すぐ大至急よ!今晩食べたい物があるの!しかも外でなのよ!」

ガタガタドタドタガッシャンと騒がしい音がした後、ジムが飛び出して来た。

「お嬢!」

「うん。新作よ」

「今すぐやりやしょう!」

鼻息荒いわよ。そんなに嬉しいの?ジムの勢いに少しだけ笑ってしまう。

「お待ち下さい。それは甘味なのですか?」

料理長がやって来ておかしな事を聞いてきたわ。

「いえ。基本的には食事になるけど、だからと言って甘味にならないとは言えないのよ……」

ここに来て料理長が厳しい目つきで私とジムを交互に見て来ました……トラブル発生でしょうか?!
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