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新天地を! 171

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「チート過ぎるだろ……」

「ん?」

ルークが唖然とした顔で出来たてホヤホヤの温室を見てます。
田舎のお金持ち大葉農家なら建ててるだろう大きさの温室だけど、ちょっとした植物園とかの温室と良い勝負。
オシャレな作りじゃないけど、実用性しか追求してないけど農作物専用だから別に良いと思うのよね。
それにしてもチートとか……
立ち上がってパンパンと大して着いてない土埃を払う。

「チートなのかも……」

「チートに決まってるだろ……」

私の疑問に被せ気味に答えるルークに優しさは無いのか?
そう思ってジト目で見れば、ジト目で返された。解せぬ!

「でも温室出来て良かった!って事で!」

「そうだな。定番の苺を作るのか?」

「そうね。端っこなら。アボカドの苗木二・三本植えよう!あとアップルマンゴーにライチ!バナナとかも植えるべきなのかしら?」

「マンゴーは分かるけどライチ?」

「楊貴妃の好物だったってのは置いといて、フレッシュのライチは本当に美味しいのよ!冷凍とは違うジューシーさなのよ!」

前世で食べたフレッシュライチは本当に美味しかった。あれこそが楊貴妃の愛したライチなのだと思った。

「きっとお母様も気に入ると思うのよ!苗木ならあるし、ライチも二・三本植えようっと!」

「そうだな。果樹は色々植えた方が良いかもな」

「ふふっ……あ、そうだわ。簡単に壊れないように魔法で防御と自動修復掛けようっと」

「は?」

両手を温室に向けて念じる。
壊れない!万が一壊れてもすぐに自動修復!
そう念じて魔力を放つ。

キラキラと虹色の光が温室全体を包んで……包んで消えた。
サッと鑑定して……うん……想像以上のハイクオリティな温室になってたけど気にしない!
気にしたら負けよ!

「エリーゼ……これ、ただの温室じゃなくね?」

「ただの温室じゃあ~りません」

「そうだよな。自動修復とかトンデモ温室だな……」

「ウッカリ盗っ人がぶっ壊して侵入なんて出来ませんよ……ククク……盗っ人が出たら追跡用の魔道具とか作るかな……ガーゴイルみたいなヤツとか……」

「怖いからヤメロ」

悪そうな笑顔で言うルークは全然怖そうじゃありません。
むしろ何か楽しそうです。

「凄いな!中に入ってもみても良いか?」

「そうですね。一回中に入ってみましょうか」

トールお兄様の興味が爆発しかかってます。
フフフ……トールお兄様……ここもトールお兄様に丸投げ致しますわよ……
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