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新天地を! 168
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「おーい!エリーゼ、ルークちゃんと食べたか?」
……ハイテンションのトールお兄様が元気いっぱいに声を掛けて来ました。
「トールお兄様……勿論食べましたわ」
「そうか!近々エリノユに元王都民を連れて来ようと思う。農地はうちの隊で土魔法が得意なヤツに準備させたから、もう少し温かくなったら種蒔きが出来る筈だ」
「それなんですけど。全くやった事が無い元王都民にいきなりやらせても出来るとは思えません。農民として生きてくれる方達に畑の維持や農産物のお世話とか指導してくれる方をお呼びしないと……」
「む……そうか……そうだな……」
トールお兄様、ちょっぴり考え込みました。
「そうだな。果樹の世話もあるし、領都で指導出来る者に依頼しないとな……うん、もう仕事が出来なくなった連中がいる筈だからサムじいに言っておくか」
「サムじい?何で?」
「ん?知らないのか?ああ……知らなくても仕方ないか。サムじいは領都の農夫達の長老だよ」
ナンテコッタ!私の知らない内にサムじいが農業のトップになってた!
「知らなかったわ……」
「まぁ、切欠はエリーゼだけどな!」
ナニィ!私が切欠ですってぇ!もはやガクガクしてしまいます。
「ほら、エリーゼが王都に行く前に色々やっただろ?」
「え?覚えてません」
トールお兄様にジト目で見られました心外です。
「まず、肥料の作り方。知らなかった食べれる物を幾つか教えただろ。後、桃の増やし方……今じゃ大きめの物が増えたしな。それから蜜蜂の扱い方。保存やら何やら……特産品は増えたし、何だかんだでそっち側で収入が増えたっても大きいな。まぁ、色々重なってサムじいが一番偉くなったって訳だ」
ひぇぇぇぇ……私いったいどんだけやらかしたのよ……しかも養蜂もだって?私の知ってる養蜂なんて、かなりいい加減と言うか適当って言うか……マージかぁ……
「やったな、エリーゼ!」
清々しい程爽やかな笑顔でサムズアップしたルークにイラッとします。
でもそんな昔の事言われても……
「記憶にございません!」
「乙!」
クッ!ルークめ!ちっとも有効打にならない!ネタが古いとも言わない!前世の近所のオッサンはこれで笑ったのに!ジェネレーションギャップか!
「ハハハ!エリーゼとルークは本当に仲が良いな!」
……ソウデスネ。ケンカする程でもない事です。
「ええ!仲が良いんですよ!」
……ルーク……どや顔か!
……ハイテンションのトールお兄様が元気いっぱいに声を掛けて来ました。
「トールお兄様……勿論食べましたわ」
「そうか!近々エリノユに元王都民を連れて来ようと思う。農地はうちの隊で土魔法が得意なヤツに準備させたから、もう少し温かくなったら種蒔きが出来る筈だ」
「それなんですけど。全くやった事が無い元王都民にいきなりやらせても出来るとは思えません。農民として生きてくれる方達に畑の維持や農産物のお世話とか指導してくれる方をお呼びしないと……」
「む……そうか……そうだな……」
トールお兄様、ちょっぴり考え込みました。
「そうだな。果樹の世話もあるし、領都で指導出来る者に依頼しないとな……うん、もう仕事が出来なくなった連中がいる筈だからサムじいに言っておくか」
「サムじい?何で?」
「ん?知らないのか?ああ……知らなくても仕方ないか。サムじいは領都の農夫達の長老だよ」
ナンテコッタ!私の知らない内にサムじいが農業のトップになってた!
「知らなかったわ……」
「まぁ、切欠はエリーゼだけどな!」
ナニィ!私が切欠ですってぇ!もはやガクガクしてしまいます。
「ほら、エリーゼが王都に行く前に色々やっただろ?」
「え?覚えてません」
トールお兄様にジト目で見られました心外です。
「まず、肥料の作り方。知らなかった食べれる物を幾つか教えただろ。後、桃の増やし方……今じゃ大きめの物が増えたしな。それから蜜蜂の扱い方。保存やら何やら……特産品は増えたし、何だかんだでそっち側で収入が増えたっても大きいな。まぁ、色々重なってサムじいが一番偉くなったって訳だ」
ひぇぇぇぇ……私いったいどんだけやらかしたのよ……しかも養蜂もだって?私の知ってる養蜂なんて、かなりいい加減と言うか適当って言うか……マージかぁ……
「やったな、エリーゼ!」
清々しい程爽やかな笑顔でサムズアップしたルークにイラッとします。
でもそんな昔の事言われても……
「記憶にございません!」
「乙!」
クッ!ルークめ!ちっとも有効打にならない!ネタが古いとも言わない!前世の近所のオッサンはこれで笑ったのに!ジェネレーションギャップか!
「ハハハ!エリーゼとルークは本当に仲が良いな!」
……ソウデスネ。ケンカする程でもない事です。
「ええ!仲が良いんですよ!」
……ルーク……どや顔か!
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