739 / 1,402
連載
新天地を! 156
しおりを挟む
「エリーゼ、いきなり姿が見えなくて慌てたよ。どうしたんだい?」
トールお兄様が心配そうな顔で聞いてくる。
あれ?ひょっとして、私がはぐれたの?
「心配した……」
「え?あー……ゴメンナサイ」
チラリとカワイコちゃん達を見てみるが、こっちは心配してない。
「きになったところみてたにゃ!あっちこっち、おもしろかったにゃ!」
「あら、そうなのね。もう見なくて良いの?」
「じゅうぶんにゃ!」
タマの言葉にカワイコちゃん達はウンウンと頷いてる。
どうやらトールお兄様達とは別行動だったみたいだけど、同じタイミングで山を登って来たみたい。
……ノエルはルークの武装の端っこを握ってるし、ルチルはルークの肩に立って頭に抱き付いてる。
何、このパパ感(笑)ルチルは小さいから肩だけど、これが子供だったら肩車に違いないわ。
ノエルとルチルでこれなら、もし子供が出来たら極甘のパパが出来上がりそう。
「ふふっ……」
「ん?エリーゼ、ルークを見てどうした?」
トールお兄様がすぐに気付いて聞いてくる。
「ルークの姿に父親になってもあんまり変わらないんだろうなって思ってつい……」
「ああ、なる程。父上と良い勝負だろうな」
「え?お父様、あんな感じだったの?」
ついつい聞いちゃう。だって私の小さい頃のお話なんて、聞いた事無いんですもの!
「まぁね。凄かったよ……父上と兄上でエリーゼの取り合いでさ……それで良く母上が怒ってた。勿論、エリーゼの見えない所でだけどね」
うわぁ……何となく想像つく。
キャスバルお兄様は今でもアレだし、お父様だって……
「小さい頃のエリーゼは本当、可愛くてね。そりゃあもう、邸中誰も彼もエリーゼが可愛くて仕方ないって見てたしね……」
ちょっと……照れるからトールお兄様止めて……
「見たかったです」
「そうだね、家族で何枚か描かせた物はあるが何故か飾ってないんだ……」
ん?んー……たしかにうっすらと描いて貰った記憶はあるけど、どうして飾ってないんだろう?
「お聞きしても?」
「簡単だよ。父上と兄上が大反対して飾ってないんだよ。二人して秘蔵してるんだよ、おかげで俺ですら見れない」
うわぁ……お父様もキャスバルお兄様もとんでもないです……お母様は何にも出来なかったの?
「後、母上もだけど母上は実家に送っちゃったらしくてね。見たかったらシルヴァニア本家まで行かなくちゃいけないらしいよ」
「シルヴァニア本家って……シルヴァニア公爵邸って事ですか?」
「うん!そう」
スッゴい笑顔ですけど、シルヴァニア公爵邸ってマチュピチュ的な山の天辺にあるって言うお邸でしょ。
お母様まで勘弁して!
ルークの顔が絶望を表しちゃったじゃないの!もう!
トールお兄様が心配そうな顔で聞いてくる。
あれ?ひょっとして、私がはぐれたの?
「心配した……」
「え?あー……ゴメンナサイ」
チラリとカワイコちゃん達を見てみるが、こっちは心配してない。
「きになったところみてたにゃ!あっちこっち、おもしろかったにゃ!」
「あら、そうなのね。もう見なくて良いの?」
「じゅうぶんにゃ!」
タマの言葉にカワイコちゃん達はウンウンと頷いてる。
どうやらトールお兄様達とは別行動だったみたいだけど、同じタイミングで山を登って来たみたい。
……ノエルはルークの武装の端っこを握ってるし、ルチルはルークの肩に立って頭に抱き付いてる。
何、このパパ感(笑)ルチルは小さいから肩だけど、これが子供だったら肩車に違いないわ。
ノエルとルチルでこれなら、もし子供が出来たら極甘のパパが出来上がりそう。
「ふふっ……」
「ん?エリーゼ、ルークを見てどうした?」
トールお兄様がすぐに気付いて聞いてくる。
「ルークの姿に父親になってもあんまり変わらないんだろうなって思ってつい……」
「ああ、なる程。父上と良い勝負だろうな」
「え?お父様、あんな感じだったの?」
ついつい聞いちゃう。だって私の小さい頃のお話なんて、聞いた事無いんですもの!
「まぁね。凄かったよ……父上と兄上でエリーゼの取り合いでさ……それで良く母上が怒ってた。勿論、エリーゼの見えない所でだけどね」
うわぁ……何となく想像つく。
キャスバルお兄様は今でもアレだし、お父様だって……
「小さい頃のエリーゼは本当、可愛くてね。そりゃあもう、邸中誰も彼もエリーゼが可愛くて仕方ないって見てたしね……」
ちょっと……照れるからトールお兄様止めて……
「見たかったです」
「そうだね、家族で何枚か描かせた物はあるが何故か飾ってないんだ……」
ん?んー……たしかにうっすらと描いて貰った記憶はあるけど、どうして飾ってないんだろう?
「お聞きしても?」
「簡単だよ。父上と兄上が大反対して飾ってないんだよ。二人して秘蔵してるんだよ、おかげで俺ですら見れない」
うわぁ……お父様もキャスバルお兄様もとんでもないです……お母様は何にも出来なかったの?
「後、母上もだけど母上は実家に送っちゃったらしくてね。見たかったらシルヴァニア本家まで行かなくちゃいけないらしいよ」
「シルヴァニア本家って……シルヴァニア公爵邸って事ですか?」
「うん!そう」
スッゴい笑顔ですけど、シルヴァニア公爵邸ってマチュピチュ的な山の天辺にあるって言うお邸でしょ。
お母様まで勘弁して!
ルークの顔が絶望を表しちゃったじゃないの!もう!
126
お気に入りに追加
16,808
あなたにおすすめの小説
【短編】捨てられた公爵令嬢ですが今さら謝られても「もう遅い」
みねバイヤーン
恋愛
「すまなかった、ヤシュナ。この通りだ、どうか王都に戻って助けてくれないか」
ザイード第一王子が、婚約破棄して捨てた公爵家令嬢ヤシュナに深々と頭を垂れた。
「お断りします。あなた方が私に対して行った数々の仕打ち、決して許すことはありません。今さら謝ったところで、もう遅い。ばーーーーーか」
王家と四大公爵の子女は、王国を守る御神体を毎日清める義務がある。ところが聖女ベルが現れたときから、朝の清めはヤシュナと弟のカルルクのみが行なっている。務めを果たさず、自分を使い潰す気の王家にヤシュナは切れた。王家に対するざまぁの準備は着々と進んでいる。
離縁を告げに
豆狸
恋愛
「バーレト子爵、ファティマを呼び捨てにするのは止めてくれないか」
「止めるのは君のほうだろう。ファティマは私の妻だ。妻を呼び捨てにしてなにが悪い」
「……ヒカルド様? 私達は二年前に離縁していますが」
なろう様でも公開中です。
【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜
真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。
しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。
これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。
数年後に彼女が語る真実とは……?
前中後編の三部構成です。
❇︎ざまぁはありません。
❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。
冤罪から逃れるために全てを捨てた。
四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)
断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました
ララ
恋愛
3話完結です。
大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。
それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。
そこで見たのはまさにゲームの世界。
主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。
そしてゲームは終盤へ。
最後のイベントといえば断罪。
悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。
でもおかしいじゃない?
このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。
ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。
納得いかない。
それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。