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新天地を! 154

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「どうした?」

「あ……いや、建物だけって寂しいわねって思って……」

キョトンとするドワーフのオッチャン達はどこかしら可愛い。

「じゃあ、何かまつれば良いぞい!儂等もエルフ共もまつってるぞい!姫様も何かまつれば良いぞい!」

「はぁ!?ちょっと待って!祀る?祀ってるの?何を?誰を?」

あまりの事に即答即質しちゃったじゃない!

「儂等はかぐつち様だぞい。エルフ共はあわしま様だぞい」

ガクリと膝をつく。え?何で神様祀ってるの?

「い……いつから……」

「ずっとずっと昔からだぞい。ここに来るより前だぞい」

ここよりも昔ってんだから、どこか他所の土地から来たって事か……それにしても迦具土様に淡島様ね……昔、この世界に転生した日本人がいたって事か。しかも若くないか若くてもそういった事にある程度知識のある人……

「ねぇ、何で赤くしたの?」

「ん?かぐつち様は石造り、あわしま様は白木造り。豊作は赤いと決まっとるぞい!」

やっぱり何か伝えられてる。

「建て方も幾つかあるぞい。だから建てて欲しいなら幾らでも建てるぞい!」

嬉しそうに言ったわよ……しかも豊作と来た。確かにうちの領地は基本農業だから間違ってない。

「じゃあ、豊作をお願いする神様をお奉りするわね」

「おお!良いぞい!きっと喜ぶぞい!」

誰が?きっとって誰かが喜ぶって事よね?オッチャン達、何知ってるの?

「じゃあ、石を取ってきてくれたら狐の石像造るぞい。勿論台座も造るぞい」

神使のお狐様も知ってるのか……どこからどうやっても日本人がいた。

「石は出せるわよ、台座も石が必要なら出すわよ」

「なら、出してほしいぞい!」

ワラワラと社殿の前へと行く。

「ここぞい!こことあっちだぞい!」

ドワーフのオッチャン達が二つに分かれブンブン手を振ってる。
無限収納のリストを呼び出し、石を探す。石の大きさって分かるかな?と思えば大・中・小で分かれ、更に下には小石とか砂利とかあった。
とりあえず大をチェックすれば大きさが大雑把だけど表示されてた。
よし、似てる大きさの石があるからそれにしよう。

「出すからちょっと離れてて頂戴」

そう言ったらオッチャンの一人がどこから出したのか棒でガリガリと印をつける。

「ここに頼むぞい!」

「ええ……」

ドズゥゥンッ

うん、良い大きさだわ。

「こっちはここぞい!」

……オッチャン達は目で測れるのか?出した石の対面に印をつけてた。

「分かったわ」

無言で同じように石を出す。
同じ様な音が響く。

「彫るぞい!」

「やるぞい!」

ワアワアと石に群がる小っさいオッチャン達がむさい筈なのに可愛いです。
これでもう少しファンシーな見た目だったら白雪姫に出て来る小人さんです。
ゴツゴツのムサムサで黒いので全くファンシーとは遠いです。
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