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新天地を! 153

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大きな邸の裏側に三番隊の皆さんがいた。
いずれ庭園か何かになるだろう場所なのだと思う。
公園も多そうな感じに少しだけ嬉しくなる。

「お!来たか!」

ドワーフのオッチャン達がブンブンと手を振って走って来る。
迫力あるな……

「姫様よ!どうだ、この街並み!立派なもんだぞい!」

「凄いわ!」

チョロギーから降りてオッチャン達と合流し褒める。

「古い設計図引っ張り出して作り直したんだぞい!」

「古い?」

「おう!古い古い設計図だ!うんと昔のだ!領主や王のお膝元って訳じゃねぇんだ、真っ直ぐの道で構わんだろうと真似て造ったぞい!」

「そうなのね」

古い設計図って長寿のドワーフが古いと言うなんて何百年も前の設計図って事?
謎すぎて聞けない……でも、そんな昔からあったなんて……
そういや邸もドワーフ達が建てたってうちの歴史書に載ってた。同じ頃にエルフ達も来て邸の裏で暮らしだして……邸の本館はそれこそ公国時代の物だって言うんだから年代物……って言うか、邸自体が歴史の証人みたいなものなのよね……

「カッカッカッ!一等古い邸並みに長持ちするぞ!」

……うちの本館並みに持つんだ……凄いなドワーフ……
あれ?ルーク達もカワイコちゃん達もいない?

「姫様よ、男共はあちこちに行ったぞい。あの小っこい魔物もどこかに散って行ったぞい」

「え?何で?」

「知らん!じゃが姫様よ、あっちに赤いのを建てたぞい!きっと気に入るぞい!」

赤いの?まあ、良いわ。隊員達も沢山いるし、危険は少ない筈だもの。
トコトコ歩き出したドワーフのオッチャン達について行く。
スーパー銭湯を通り越して、少し開けた場所に建っていたのは赤い鳥居……その奥には赤い社殿……何処からどう見ても神社です。

「姫様は邸の小っさい赤いのを気に入ってるとエルフから聞いたぞい。じゃから、今度は隠し通路も無い大きい赤のを建てたぞい。……姫様よ、どうした?赤くない方が良かったか?なんなら、もう一つ赤くないのを建てるぞい?」

私が驚いていたからか、喜んでなかったからかドワーフのオッチャン達が心配そうに見てくる。

「違うの……驚いて……凄いわね……」

赤……朱塗りの神社はお稲荷さん、宇迦之御霊大神(うかのみたまのおおかみ)を祀る神社。
五穀豊穣や豊作、農業や商売の神様。
田んぼに畑に果樹園……相応しい神社だけど、お奉りするとか出来るのかしら?
お札も何も無いけど……てか、神様とか信仰自体が無いのに?やっちゃって良いのかしら?
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