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新天地を! 65

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婚姻までなんて悠長な事言ってたらダメか!よし、ならば勢いで片付けよう。こっちが済み次第やり切ってから、気持ち良くお迎えするのよエリーゼ!そして心証を良くして仲良くなって!うん、仲良くなれれば気持ちの良いお付き合いが出来る筈よね!

「アニス!開拓地の開発が済んだら邸の浴室を改造するわ!ここと同じようにね!ただ邸の全室とかは無理だから家族と各共同浴室と良く使われる客室に限定してよ!」

コテンと首を傾げたアニスが返事をしません。

「ん?ん~……」

えー……何?どうしたの?ヒュンッと首が戻りニコッと笑う。何だか恐いです。

「畏まりました。こちらの開拓地はおそらく種や苗などを譲渡すれば終了となるはずですから明日明後日以降からお邸の方は改造出来ると思います」

あれ?そんなに?早くない?もう、種と苗の譲渡で終了なの?

「こちらの施設も終わったのでしょう?なら殆ど終了だと思いますが?」

……天然炭酸泉の管理はまだとはいえ、溢れた分はスパリゾートに回してるし……採取した……あっ!採取した炭酸水使っての甘味の試作とかもあった!いや、無限収納に入ってるから炭酸が抜ける事は無いか。
それは追々やれば良いや。それよりも改造だ!天然炭酸泉の採取するべき井戸(井戸じゃないけど、形状が井戸っぽいから井戸と呼ぼう)は今の所私以外が入れないようになってるし、汚れないようになってるから安心安全。

「分かったわ。ならトールお兄様と相談して邸の方に取り掛かれるか聞いてみましょう」

「そうですね。こちらの開拓は残るところ住居や区画整理等が主ですし、それらが済めば家具職人が最低限の家具を搬入して受け渡しになりますから……そうすれば元王都民の方々はすぐさま此方に来て農夫とし仕切り直し出来ますでしょう。また、先に此方に来た方々も希望すればこちらでも暮らす事も出来るでしょうしね……」

なる程、アニスの言う事も一理あるか……同郷の人が多い方が安心出来るし顔馴染みがいるかも知れないものね。
慣れない領都よりも良いかも知れない。

「そうね。農夫だけが住むんじゃ不都合が多いものね、暮らす以上お店とか無いと不都合だわ。一々領都に出て来るのも大変だし、商隊待ちとかも大変だわ」

いくら領都が近くても徒歩だと二時間以上掛かると思うのよね。馬で一時間近く掛かる……ん?邸からだから……いや、領都を出て三十分は走らせてるからやっぱりそれ位掛かるわよね?
それは暮らし難いわ。せめて歩いて三十分以内とかの方がクレーム出ないわよね?
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