婚約破棄されまして(笑)

連載

新天地を！ 25

とりあえずこれでミッションコンプリート（笑）後は表……前庭に行って焼き鳥パーリーに参加です。
エントランスから出ていつもの場所へと向かう途中、コンロ前が賑やかになってて……

「おつぎはタレにゃ！」

パチパチと軽い拍手の音すら聞こえる。近づけば華麗に焼き鳥を焼くトラジの姿。
家族以外の側近や侍女達もニコニコしながら焼き鳥・塩を食べてます。
平和……平和な風景！別のコンロに料理長と料理人達が焼き魚とか照り焼きとか作ってます。
タマ？タマはトラジの助手の如く空のお皿を持って新たな焼き鳥を待ち構えてます。
なんぞ可愛いわ……
いつもの如くあちこちに出されたテーブルには枝豆やらから揚げが置かれワインを飲んで……ワイン？

「しまったぁ！」

私が大慌てです！焼き鳥にはビールです！アワアワしながら見回してもどこも何にも置く場所ないです！
それならば！土魔法でザァッと腰辺りの高さの四角柱を作り上げ流し台みたいに水が張れるように四角く穴を作り、ついでに水抜きの穴を横っちょに作って木の栓を慌てて作って嵌めておく。
穴に氷水を張って瓶ビールをチャポチャポと丁寧に入れていく。
ふぃ～これで良いや。栓抜きはこの辺に幾つか置いておけば勝手に飲むでしょ。

「これで良し！さ、焼き鳥食べに行こう！」

良く冷えてないであろう瓶ビールを一つ栓抜きし、収納してた木のジョッキにトクトクと注ぎコンロへと移動した。
え？瓶ビール達はこの後どうなったって？目ざといドワーフ達が群がってましたよ。
後、うちの家族もね！
エルフは相変わらず枝豆に夢中で、ドワーフはビールとワインに夢中。
そうこうしてるうちにコンロに善哉の入った鍋が置かれました。
お母様の目がギラリと光った気がしましたが、そっとスルーです。
ハイペースだった焼き鳥の減りが落ち着いてきたのでトラジとタマは料理人達へとバトンタッチし、二匹は焼き鳥よりも焼き魚（大）をチョイスし器用にハグハグと食べ始めました。

「おいしいにゃ！」

「ホクホクにゃ！」

仲良しです。ヒナやユキ達はあまり邪魔にならない所でご飯を貰って食べてました。
唯一ピカ太郎とスラ道のコンビだけはから揚げを食べてました。

「そういや、ピカ太郎にご褒美あげないとね」

熊はピカ太郎が頑張ったものね。ピカスラコンビに近寄り、から揚げを夢中で食べてるピカ太郎の頭をサワサワと撫でる。

「ピィカ？」

「今日は頑張ったものね。だからご褒美」

そう言って収納から一本の枝を差し出す。
真っ赤な鷹の爪がたわわについた枝を……