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新天地を! 23

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「失礼致します大奥様。エリーゼ様。夕食の準備が調いました、本日は前庭にて焼き鳥と焼き魚を主菜としてなるべく多くの者ととる事となっております。エリーゼ様、厨房にて先程手ずから作られた物はいかがなさるのかと……」

執事長ごめん!

「厨房には今から行きます。手間を取らせましたね、後ほど前庭に行きます。皆はお祖母さまと一緒に前庭に行ってね」

「勿論だとも!レディをエスコートする名誉を頂けるとは騎士の誉れ!さあ!ピカ太郎よ、喜ぶが良い!」

スラ道……何言っちゃってるの。ピカ太郎がドン引きよ。

「お祖母さま、楽しい時間はまだまだですわ。お先に前庭でお祖父様と一緒に楽しんで下さいませ」

何か……楽しかったけど、為にもなったわ。

「ええ、そうね。可愛らしい騎士様にエスコートして貰って旦那様の所に行きましょうか。では後でねエリーゼ」

「はい。失礼致します」

後の事は任せた!イクラの醤油漬けの事だよね!焼き鳥パーリー終わった後のシメのイクラ丼で良いけど、せっかくだもんルーク……だけじゃダメね。私とルークとアニスとキースの文はキープしておかないと……出来る事ならボウル一個は収納したい!いや、出来る筈!だってもっとあったし!
カツカツと足早く厨房へと進む。

「お待たせ!」

「お嬢!待ってやしたぜ!さっきの卵なんですが……その、どうやって……」

ジムが慌てた様にやって来て、キョロキョロと辺りを見回す。何でそんなに挙動不審なのよ(笑)
どうやら料理長は前庭のコンロに何人かの料理人を連れて焼き鳥と焼き魚に取っ掛かってるようだ。厨房には半数程の料理人達がいるが、枝豆やらから揚げやら作ってる。

「炊きたてご飯に乗せるのよ。ゆずと砂糖を合わせた甘酢を混ぜ込んだご飯でも良いけどね。何にせよご飯と相性が良いのよ。ご飯は炊いて無いの?」

視界に炊きたてご飯が入ってます(笑)一応確認としてね、言ってみます。

「勿論ありやすぜ!そのままでもイケるんで?」

「イケるわよ。試食したら良いじゃない。ちょっとだけ」

イソイソと小皿にご飯を盛ってやって来る。度々氷を足したのだろう、外側の鍋は冷たい汗をかいてる。
お玉でほんの少しだけイクラを掬って小皿のご飯に乗せる。汁は殆ど入ってないから思ったより塩っぱくないだろう。
スプーンでイクラとご飯を掬い取り、パクリと食べるジム……ハムハムと口が動き、一瞬目が見張った。
口の中、イクラが弾けたのが見ている私には分かった。
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