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新しい日々 84

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「よぉし!決まったぞ!」

お父様が気勢を上げてます。やですね。

「前衛と同じ数だけ魔法使いを増やす!後衛も若干数増やし、隊の連携を纏めれるようにするぞ!戦い方は領主隊はもとより領地隊にも周知し、若年隊には特に丁寧に教えより討伐数を上げれるようにせよ!」

「「はっ!」」

……何か……現領主と次期領主とその補佐って感じの受け答えだったわ……

「これも全てエリーゼのおかげだ」

「そうですね!さすが俺の可愛いお姫様だ!」

キャスバルお兄様よ……

「待て!エリーゼは俺の可愛くて美しいお姫様だ!」

お父様よ……

「ははは!エリーゼは俺の可愛いお転婆姫だよ。何言ってるかな?」

オイ……トールお兄様よ……

「大人気ね、エリーゼ」

お母様もそんな軽く言わないで下さい。もう、ガックリです。

「嬉しいですけど、嬉しくないです」

もう……と溜息をついて紅茶を飲もうとカップを見て、冷めてしまった事に気がついた。
チラリとパーラーメイドを見やると、一礼し静かにやって来て紅茶を淹れ直してくれた。
温かい紅茶で喉を潤し、この幸せな家族の風景を見つめる。勿論、心のアルバムに焼き付ける為に!だって後数ヶ月で私とルークが婚姻して、秋になったらキャスバルお兄様が婚姻するのよ!来年の冬には新しい家族が増えてしまうのよ!そう!キャスバルお兄様の嫁!
私……小姑になるのよ……実家住まいの小姑!小さいお家じゃないし、お掃除とかはメイドの仕事だし洗濯も洗濯係がいるし前世とは違う貴族の生活だから!
でも、不安は拭えない!だって、帝国貴族の令嬢よ……王国の貴族令嬢とは訳が違うのよ!
性格合わなかったら不幸!よくよく考えたら、向こうからしたら義理の妹だけどその妹の夫は元帝国皇子!微妙!私だったら悩むし、考えるし!

「ホホホ……エリーゼ、つまらない考えはするだけ無駄ですよ」

え?コッワ……お母様、私の考えてる事何で分かったんですか?

「エリーゼは好きな事ややりたい事をやっていたら良いのよ。つまらない事に囚われて動かないのが一番勿体ないわ」

「そう……ですか?」

「そうよ。エリーゼは好きなようにしてる姿が一番エリーゼらしいわ」

私らしい……か。お母様から見たら、私が私らしくあるのは私が好きなように生きてる時なのね。

「お母様ね、自分の気持ちを置き去りにして生きてるエリーゼを見たくないの。一年と少し前からどんどんエリーゼから笑顔が消えて、口数も減っていった姿を二度と見たくないわ……」

お母様……寮生活してた私をいつ何処で見たんですか?いえ、良く邸にも帰ってましたけど!お母様が怖すぎて笑えません!
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