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新しい日々 80

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「ご主人、どうしたにゃ?」

「そうにゃ、ボクたちもいるにゃ!」

タマとトラジがポテポテ私とお母様の近くに歩いて来ました!
うん、そうだこの子達もいるし一人でウジウジするのなんて私らしくない。

「タマ、おいで」

近寄って来たタマを座ったまま抱き上げそのまま抱っこする。
トラジはお母様の近くに行きお母様を見上げてる。

「トラジちゃん、いらっしゃい」

お母様はそう言うとトラジを抱き上げて私と同じように抱っこする。

「暖かいわねぇ」

「はい。暖かいし柔らかくて……どんな荒んだ場でもホッとします」

うん。初めて戦ったあの夜もタマの存在にどこか救われた気がした。カワイコちゃん達は可愛いだけじゃなくて戦闘においても頼りになる存在で……でも本当は違う。寂しい私の心のどこかにずっと在り続けてくれる存在なのかも……

「ご主人、ボクもトラジもずっとずっとご主人といっしょにゃ。だからあんしんするにゃ」

見透かされてるなぁ……

「ありがとうタマ、トラジ。ずっと側にいてね」

「もちろんにゃ!」

「やくそくするにゃ!」

お母様の腕の中のトラジも私の腕の中のタマも嬉しそうに尻尾を立てて片前足を振っている。
コツと頬に当たる堅い感触。ヒナが大きな目で私を見てる……ヒナの嘴が頬に当てられてた。膝の上にもう一つ暖かい……ユキが顎を膝の上に乗せた。
リコは自分も抱っこしろと言わんばかりに私の足元に体を寄せてるけど、今日のドレスじゃあちょっと無理……ってコロンとドレスの内側に潜り込んでしまった!
それじゃあ抱っこは無理だから!
ああ!足っ脹ら脛にリコの尻尾が当たって気持ち良いっ……じゃなくて!

「リコ!出てらっしゃい!」

少しドレスの端を持ち上げてみる……ポフンッて音と共に小さなリコの姿が飛び出て来た。

「びっくりしたコン!でもご主人のあしにくっついたコン!でもやっぱりだっこがいいコン!」

タマの体を片方の膝の上に座らせてリコへと手を伸ばす。その小さな体を掬い上げるように抱き上げ抱っこする。
大きいネコでしかないタマ達に比べて、子狐としか言えない大きさのリコは尻尾の方が大きい位でその体は小さくて可愛らしい。
どちらも私の膝の上で仲良く座って、嬉しそうにしてる。

「何だか幸せね?」

お母様の目がうんと優しくてドキリとする。

「ずっと長い事、こんな風にエリーゼと過ごしたかったの」

これはお母様の本心だ……いつからだったろう、お母様とゆっくり話しをするのは?領地に帰って来る事が決まって、旅が始まってから?王都にいる間は思ったより忙しかった気がするもの……てか、なんだかんだで忙しい過ぎでしょう!私!
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