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新しい日々 73

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「備蓄……か……」

「あ!エリーゼ様が提案したやつですよね!知ってますよ、私!」

「え?」

何?言ってるの……?待て待て、私が提案したですって?どう言う事よ?

「エリーゼ様が幼い頃に提案なさって、あちこちの集落が助かったって聞きました!」

元気いっぱいに答えるアニスに突っ込めません。そうか、私が言ったのか……ホント、小っちゃい頃からやらかしてるな私!
でもそれで領民が救われてるなら良いのか。
……備蓄の概念が無いって事なの?それともあるけど、基本少量とか領主とかの分だけとかなの?ある意味正しいのかも知れないけど、戦力の農民死んじゃったら食料生産ストップして更に追い込まれるじゃない!バカなの?死ぬの?

「はぁ……そう、そうなのね。忘れてたわ……でも、それで領民の命が救われたなら良い事だわ」

本当にね!人一人、きちんと働けるようになるのにコスト考えたら分かりそうなのに……ってそんな事考え無いか!勝手に増えてくもんだと思ってるバカ貴族とかいるものね!バカにつける薬は無いって言うけど本当だわ!そりゃあ領地経営失敗するわ!バカめ!

「エリーゼ様のおかげで多くの領民が助かるようになったと旦那様も奥様も言ってたって母さまが良く言ってたんです!父さまもです!」

嬉しそう!うん、その時の事を思い出して喜んでるのね。可愛いわね。

「ここで私がうだうだ考えてても仕方ない事だわ」

コツッ!コツッ!コツッ!

「ん?何かしら?ノックにしては音が……」

私達だけじゃなく、隅に控えてる侍女やメイドも不審な顔してます。

「私が開けて見ます」

「ええ……」

立ち上がって投擲用ナイフをスチャッ!と手にしたアニスの顔が見えなくて良かった……そう思った私は悪くないと思います。

カチャ……とゆっくり扉が開けられ……

「小さくなったから帰って来ましたよ!」

「ピカ……ピカァ……」

扉の向こうにいたのは確かに何とか扉をくぐり抜けれそうなサイズになったスラ道と半泣きのピカ太郎でした(笑)スラ道の剣が見えたので、きっと剣で扉を叩いたんでしょうね。
でも、ちゃんと入れるのかしら?

「……お帰りなさい」

ズゴンッ!

意気揚々と入って来たスラ道の上部で打撃音と後ろに倒れかかるピカ太郎!ピカ太郎、頭打つけてるじゃない!

「スラ道ィ!」

思わず立ち上がってスラ道に掴み掛かってしまいました。

「どっ、どうした?!」

「良いからピカ太郎を降ろしなさい!」

ズルリと落ちてくるピカ太郎を抱き留め、立派なたん瘤になったピカ太郎のおでこにヒールを掛けてたん瘤を消しました。
全くスラ道は……
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