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新しい日々 47

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「じゃあ、王都民は今頃……」

「蓄えのある者は何とか乗り切ろうと必死でしょうね。それにうちに来たなら助かるでしょうし、こちらにも来てるわ。ただ来れない者や知らない者にはどうする事も出来ないわ。施しを与えるのは私達の仕事では無い。わかるでしょう?」

お母様の言う通りだ。どれだけ可哀想でも王都は王家がおさめる地。一貴族のしかも実権を持たない令嬢と言う立場の私がどうこう出来る訳も無い。
それに領地持ち貴族の本丸は領地、その領地を差し置いて王都に住まう民に無償で施す事はあってはならない。
王都の邸に来た者達を我が領地に引き込むなら、それは領民になると言う体裁のもと助け領地へと送り届ける。
お母様の言う事は何一つ間違って無い、他に助けるやり方が無い。
王都の邸に来たから食事を与える。それだけだと王家に対して思う所アリと取られるかも知れない。だが領地へと引き込んでしまえば、助けた者達は我が領民となる。確かにうちは人口減少しないように様々な政策を打ち出し、魔物からの脅威も受けないよう切磋琢磨し頑張ってる。
大型は確かに討伐しているけど、それだって無闇矢鱈と討伐し狩りきってしまおうとはしてない。
繁殖地や多く住んでるからこその討伐地には行っている。それだって狩らないと増えてく一方だからだ。
後は街の近くで頻繁に見えると街に被害が及び兼ねないから討伐する。ルークが今回行くのは街の防衛として討伐に行く訳で、ちゃんと狩りあげてしまえば防衛出来たと言われるだけじゃなく領民を守る者が私と婚姻する者だと知れ渡る。
きっとそれこそが一番大事な事なよかも知れない。

「ふぅ……お母様、我が家は出来る事をしている。ならば私に言う事はありません。考えようによっては我が領地に新しい血が入って来た事ですし、王家には申し訳ありませんが暫くは引き込ませて頂こうと思います。……力及ばないなら削ぐのも仕方ないと思います」

きっと王家からは恨まれるかも知れない。でも善き領主としてあり続け、領地の発展に心血を注ぎ込んできた我が家。
王家に恨みは無いが、愚かしい貴族家を叱咤出来ないなんて極まってるでしょう。
……知らない振りもいい加減止めよう。大した力も無い偉ぶるしか脳の無い下位貴族家など潰してしまえば良い、もし私が王家なら通行税を上げた目先しか見えないバカ共は引き摺り降ろし首をすげ替える。
王国は法治国家でも民主主義でもない。王の一言で国はどれだけでも変わる。王都民の現状を見れば王は愚王と言われても仕方ない。
それでも持ちこたえてるか……
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