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新しい年 37

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男ばかりの食堂……潤いが足りない……
石造り&分厚い木材のおかげで室外の音は全く聞き取れない。
お外じゃないからマップを展開させるのも面倒でやってない。
そして何故か話題が上がって来ない。
ルークの気分を盛り下げないようにって言う男同士の気配りなの?
言わば今夜は男同士の初夜だから?……男同士の初夜!
何!その響き!ドキがワクテカ!じゃなくて胸がドキドキ、ワクテカしちゃう!
あの四人の内の誰かがっ!

カチャリ……

「エリーゼ、どうした?」

「お父様……どうしてかしら!胸がいっぱいなの(妄想で)食欲が(これ以上)わかないんですの……(淫らな妄想で違うモノが沸きまくりなの!)」

「嘘をつくな。食べれる筈だ」

ルークの鋭い突っ込みと腐ったモノを見る目!妹さんの事もこんな目で見てたの?ガッカリだわ!

「無駄だ。そんな目で俺を見るな。分かってるぞ、その目が何を想像してるか……舐めんなよ、どんだけその目をしたのと付き合ってたのかを」

堂に入ってるー(棒)ルークの目とセリフがマジ過ぎて何にも言えない。
ちぇっ!ちょっと想像するの止めよ……止めた途端、いつもの優しいルークに戻った!

「エリーゼ……ルーク?」

「お父様、気になさらないでルークにはルークの事情があるんですもの。でも食事は十分ですわ、本当に入りそうにないです。……私、部屋に戻ります」

何だろう、本当に食べたくない。
心のどこかで何かがあるのかしら?分からなくても何かあるのね……
立ち上がりノロノロと食堂の扉へと向かう。
ゆっくりして何てアニスに言ったけど無理だった。

「ハインツ、悪いのだけど部屋まで送って下さる?アニスにはゆっくりして貰いたいの」

心配げに私を見た執事長に問い掛ける。

「畏まりました」

そう言うと私の手を取り扉を開けてくれた。
少しだけ振り向いてお父様を見る。

「食事中に申し訳ありません、先に休みます」

「ああ、無理はするな」

お父様の言葉に一つ頷いて歩き出す。
執事長のエスコートで自室に戻り、上手く力が入らないままソファに座りボンヤリと宙を見つめ溜息一つ落として目を閉じる。
そして、そのままポスンと上半身を倒して横になる。
人の動く気配に少しだけ苛つく。

「何もしなくて良いわ、皆下がって頂戴」

私の一言に人の気配が消える。
いつの間にかそのまま眠ってしまったようだ。
気が付いた時にはベッドの中、規則正しい寝息のアニスが隣にいた。
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