上 下
490 / 1,402
連載

新しい年 34

しおりを挟む
「……エリーゼ、俺が言うべきでは無いかも知れないけど義父上の前ではダメだと思う。想像以上にダメージが来る」

「えー……」

ルークにまで言われた。
おかしくなーい?私、悪い事してないよね?
ノエルとルチルはパイを貪り食ってます。
そりゃもうパクパクですよ。
アレクが甲斐甲斐しく果実水を継ぎ足してる姿は堂に入っていて、これがいつもの事なのだと見てとれる。
お父様もルークも見ても何も言いません。

「ノエル、ルチル。食べ過ぎよ。貴方達島でちゃんと皆についていけた?」

ビシィッ!そんな音が聞こえるように体が動かなくなりました。
ギギギ……と私を見るノエルとルチル。

「にゃ……にゃにいってるにゃ……そんにゃコト……」

「なんで噛み噛みなのよ」

「かんでないにゃ!」

ノエル必死に訴えますな。

「でも自覚えるのよね?ルチルも」

「どうしてわかったピカ?」

「食べてる速度とか止まらずに食べてるからかな?これはルークもお父様も悪いからノエルとルチルだけの問題じゃないわ」

ギラリとお父様とルークを見やる。
お父様は良く分かってないけど、ルークは思い当たる節があるのか目を逸らしやがりましたよ。

「ご飯以外のおやつはちゃんと目を光らせてコントロールするべきじゃないの?運動もさせてないならいざという時困るのはルークじゃなくてノエルとルチルよ。分かってる?」

「済まない……」

「暫く預かるわよ。島な強制送還です、タマ達に特訓して貰って絞りましょう。良いですね?」

「はい……」

ペットじゃないけど、体重管理は必須項目よ!戦闘時大切な仲間として動くんだから気を付けないと!

「と言う訳で、おやつも食べたしタマ達の所に行こうか?」

「待て!待ってくれ!もう少しだけ!」

お父様め!何だと言うのかしら?
ルークが生温い目でお父様を見てます。

「ほ~ら、ノエルおいで~」

そう言ってノエルを抱っこしました!

「しかたないにゃ」

ノエルも慣れてますね。

「ルチルもおいで~」

「わかったピカ……」

……ルチルも行きました。
片手抱っこで両手に花状態になってます。

「可愛いな~」

チラチラこっち見ながら言うんじゃありません!

「悪いな、もう少しだけ待ってくれるか?」

「仕方ないわ、これでお父様が頑張れるなら」

既にお皿の上にはパイが五個しか残ってない。
軽く三十個はあった筈なのに。

「ルークはいつ側近候補と会うの?」

今、ズバッと聞いておこう!

「まだ分からない。だが、ここまで来て選ばないって事は無いから」

真剣な顔で言いました。
候補者達も真剣ですからね、ちゃんと選んでほしい。
しおりを挟む
感想 5,614

あなたにおすすめの小説

【短編】捨てられた公爵令嬢ですが今さら謝られても「もう遅い」

みねバイヤーン
恋愛
「すまなかった、ヤシュナ。この通りだ、どうか王都に戻って助けてくれないか」 ザイード第一王子が、婚約破棄して捨てた公爵家令嬢ヤシュナに深々と頭を垂れた。 「お断りします。あなた方が私に対して行った数々の仕打ち、決して許すことはありません。今さら謝ったところで、もう遅い。ばーーーーーか」 王家と四大公爵の子女は、王国を守る御神体を毎日清める義務がある。ところが聖女ベルが現れたときから、朝の清めはヤシュナと弟のカルルクのみが行なっている。務めを果たさず、自分を使い潰す気の王家にヤシュナは切れた。王家に対するざまぁの準備は着々と進んでいる。

離縁を告げに

豆狸
恋愛
「バーレト子爵、ファティマを呼び捨てにするのは止めてくれないか」 「止めるのは君のほうだろう。ファティマは私の妻だ。妻を呼び捨てにしてなにが悪い」 「……ヒカルド様? 私達は二年前に離縁していますが」 なろう様でも公開中です。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

酒の席での戯言ですのよ。

ぽんぽこ狸
恋愛
 成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。  何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。  そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました

ララ
恋愛
3話完結です。 大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。 それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。 そこで見たのはまさにゲームの世界。 主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。 そしてゲームは終盤へ。 最後のイベントといえば断罪。 悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。 でもおかしいじゃない? このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。 ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。 納得いかない。 それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。