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新しい年 24

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「ジム、ごめんね!パンケーキにはこれも一緒に乗せてね!」

「承知しやした」

大慌てでやって来た厨房の入り口でジムにバニラアイスの入った容器(使い掛け)を渡した。

「お母様やお祖母さまは下りて来たかしら?」

ドキドキです!

「いや、まだです」

「なら良いのよ!じゃあ食堂に行っておくわ!」

思わず力いっぱい言ってしまったわ(笑)
アニスと一緒に食堂の入り口まで行きます。

「ではエリーゼ様、私もパンケーキ楽しみに行って来ますね」

「楽しみにしてて、いつもと一味違うから!」

黒蜜パンケーキ、バニラアイスを添えて!なのです!
お初だから!テンション上がってます。
そして私は食堂に入る。
アニスは自分達の食堂で同じメニューを食べる。
それはアニスだけじゃない、側近と専属侍女のみの食堂。
食堂の中にはお父様とルークの二人がいました。
……ずっといた訳じゃないよね?

「ルークはお父様のお手伝いしてましたの?」

「ああ。ノエルとルチルがいないから侯爵の仕事の片付けるペースが早い」

……マスコットいないから集中力持続させてるのね……

「そんな事は無いぞ!」

「エリーゼ、嘘だから」

お父様の言い訳を止めるようにぶった切るルークに内心笑う。

「ですがお父様のお仕事を手伝ってきたルークの言葉は信頼性ありますわ」

「エリーゼ、何を言ってる……父の言葉を信じれないのか……?」

お父様が面白い事になってる。
自分の椅子に座ると直ぐさま出された紅茶を一口含む。
イケ渋なお父様がワタワタしてるって昔は見る事無かったけど、最近は随分色んなお父様を見てるわ。

「フフッ……信じてますわ。でもお父様がノエルとルチルを可愛がってるのも真実でしょう?お仕事は集中してる方が早く終わるでしょう?」

「まぁ……それはそうだが……ノエルとルチルは、その……元気なのか?」

「勿論ですわ。タマもトラジもいますし、他にも大勢いますから安心して下さい」

ちょっとだけホッとするお父様。
でも少し寂しそうなのは心苦しいかな?後で……お茶の時間辺りにノエルとルチルを連れてお父様のお部屋に行こうかしら?

「そうか……」

無言のルークは困ったなって顔です。

「そう言えばルークは側近候補者達は見たの?」

「いや、まだだが……見たのか?」

「すれ違っただけよ」

ホント、チラッとしか見てないのよね。
「そうか……」って小さく呟いた顔が若干渋く見えるのは気のせいかしら?
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