上 下
467 / 1,402
連載

新しい年 11

しおりを挟む
「ふふ……とても似合ってるわよ」

ぬ?ではお母様のオーダーなのかな?

「ありがとうございます、こちらのドレスはお母様が?」

「ええ。本当、良く似合ってるわ。エリーゼは少し硬質な意匠や豪奢な物が似合うわよね。小さい頃はふわふわとした花のような物が似合ったのだけど、女の子は大きくなると顔立ちが変わるって本当ね」

「そうなのですか?」

んー……前に誰か言ってたな……前世の知り合いだったかな?

「ええ、そうよ。だからエリーゼのドレスは少しずつ意匠を変えていったのよ。大人っぽくなったのに、いつまでも子供が着るようなドレスって……ねぇ?」

「そうだな、俺もフェリシアから言われて気を付けていたから問題は無いと思うが……」

ハッ!まさか……お母様!何て恐ろしい……

「ホホホ……」

お母様の笑顔が怖い!これはバレてる!朝のこっそりおめざもバレてる気がする!
でもいきなり何で……あ……
ぐる~りと顔をお兄様達に向ける。
キャスバルお兄様、端正なお顔が強張ってますよ。
トールお兄様、いつも血色が良いのに青くなってますね。

「そうねぇ、でもたまには可愛らしい花柄のドレスとか着て欲しいわ」

うん、お祖母さまはさすが強心臓ですね。
お母様の鋭いツッコミをモノともしないのですね。
て事はやはりピンハ系はお祖母さまからの贈り物ドレスなのね。

「ええ、たまには良いかも知れませんわ。私にだってそんな時もありますもの」

でもロリータはねぇよ。
あら、いけない。お口が悪くなってしまったわ。

「エリーゼ……その……」

「何かしらキャスバルお兄様?」

言・い・た・い・事、あるのかしら?
視線を彷徨わせるな!

「その……やはり子供っぽいドレスとか……」

「そうですね、出かけない時ならともかく夜会などで着て行ったら笑われてしまうかも知れませんわね」

あんな甘々ロリータドレス、ヒロインちゃんみたいな夢見る少女じゃなきゃ堂々と着ないわよ。
あー……でもキャスバルお兄様はあの甘々ロリータドレス着てる私を見たかったのよね……
泣きたくなるわ……そんな甘々ロリータドレスは婚約者に着せて楽しめば良いのに!
トールお兄様もロリータドレスだけど、白系な分まだ少しマシって言うか……ヒルダでも着なさそうだけどね!
そういやキャスバルお兄様の婚約者ってどんな方なのかしら?
まだ会った事……無いわよね?
しおりを挟む
感想 5,614

あなたにおすすめの小説

【短編】捨てられた公爵令嬢ですが今さら謝られても「もう遅い」

みねバイヤーン
恋愛
「すまなかった、ヤシュナ。この通りだ、どうか王都に戻って助けてくれないか」 ザイード第一王子が、婚約破棄して捨てた公爵家令嬢ヤシュナに深々と頭を垂れた。 「お断りします。あなた方が私に対して行った数々の仕打ち、決して許すことはありません。今さら謝ったところで、もう遅い。ばーーーーーか」 王家と四大公爵の子女は、王国を守る御神体を毎日清める義務がある。ところが聖女ベルが現れたときから、朝の清めはヤシュナと弟のカルルクのみが行なっている。務めを果たさず、自分を使い潰す気の王家にヤシュナは切れた。王家に対するざまぁの準備は着々と進んでいる。

離縁を告げに

豆狸
恋愛
「バーレト子爵、ファティマを呼び捨てにするのは止めてくれないか」 「止めるのは君のほうだろう。ファティマは私の妻だ。妻を呼び捨てにしてなにが悪い」 「……ヒカルド様? 私達は二年前に離縁していますが」 なろう様でも公開中です。

【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜

真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。 しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。 これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。 数年後に彼女が語る真実とは……? 前中後編の三部構成です。 ❇︎ざまぁはありません。 ❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。

酒の席での戯言ですのよ。

ぽんぽこ狸
恋愛
 成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。  何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。  そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

もう終わってますわ

こもろう
恋愛
聖女ローラとばかり親しく付き合うの婚約者メルヴィン王子。 爪弾きにされた令嬢エメラインは覚悟を決めて立ち上がる。

断罪現場に遭遇したので悪役令嬢を擁護してみました

ララ
恋愛
3話完結です。 大好きなゲーム世界のモブですらない人に転生した主人公。 それでも直接この目でゲームの世界を見たくてゲームの舞台に留学する。 そこで見たのはまさにゲームの世界。 主人公も攻略対象も悪役令嬢も揃っている。 そしてゲームは終盤へ。 最後のイベントといえば断罪。 悪役令嬢が断罪されてハッピーエンド。 でもおかしいじゃない? このゲームは悪役令嬢が大したこともしていないのに断罪されてしまう。 ゲームとしてなら多少無理のある設定でも楽しめたけど現実でもこうなるとねぇ。 納得いかない。 それなら私が悪役令嬢を擁護してもいいかしら?

冤罪から逃れるために全てを捨てた。

四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。