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元日! 41
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アニスに手を引かれ居間へと移動する。
暫くは居間で過ごしてから下に降りる事となる。
既に外は夕暮れ時で賑やかな声が聞こえて来る。
気の早い者達がやって来て交友を深めたり、並び出した食べ物や飲み物を楽しんでいるのか……
この新年のお祝いの時に着るドレスはそのまま外にでられるよう特別な仕立てで、暖かいのだ!でも通気性もバツグンなので汗をかいても大丈夫!風邪なんてひかないように配慮されたドレスなのだ!
超便利!魔物素材ってスペック高いよね。
「かなり集まってますよ。皆、待ち遠しいみたいですよ」
カーテンを閉めながらアニスが外の様子を教えてくれる。
「新年のお祝いで領主が大盤振る舞いするものね。普段食べれない肉とかワインをたらふく頂けるんですもの、待ち遠しくて当たり前よね」
美味しいご飯とお酒!新年のお祝いだけは民達に心ゆくまで味わって貰うのだ。
大人も子供も女も男もなく。
「違いますよ!皆、エリーゼ様とルーク様を見たくて集まってるんですよ!」
「え?私とルークを?」
室内が柔らかい光に包まれる。
アニスが眩しくない程度の灯りをつけて、近くまでやって来る。
「そうですよ。長い事、王国の……王家に取られると思われたエリーゼ様が帰って来て、帝国の皇子様をお婿さんにするって言うんだから皆大喜びで……だから、噂の皇子様とエリーゼ様の仲睦まじい姿を一目見たくて、早く見たくて集まって来てるんですよ!」
どエライ事言わないで!
「だから私だけじゃなく、侍女達も浮き足だってエリーゼ様のお支度にいつも以上に力が入ったんですよ!皆、エリーゼ様のお支度手伝いたいって大変だったんですよ。私達自慢のお姫様ですから!」
フンス!と鼻息が聞こえそうです。
そうだったのか……いつもはアニスだけなのに、やたらと大人数だったのは気合いが入っていたからか……
「それに……本当なら今日の髪型も結い上げたりしない予定だったんですけど、五月には婚姻式でしょう。どうせなら結い上げた華々しいお姿にしてしまいましょうって……一足早いお披露目ですよ」
「ねぇ……それって大丈夫なの?お父様とかお母様の許可って……」
不安です。怒られるのはアニスと侍女達だもの。
「大丈夫です!旦那様も奥様も笑顔で了承して下さいました!」
「そう、安心したわ。私も待ち遠しいわ……」
ルークと結婚する日が……
鏡に映った姿は未来の私だったんだもの。
花嫁さんか……
暫くは居間で過ごしてから下に降りる事となる。
既に外は夕暮れ時で賑やかな声が聞こえて来る。
気の早い者達がやって来て交友を深めたり、並び出した食べ物や飲み物を楽しんでいるのか……
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超便利!魔物素材ってスペック高いよね。
「かなり集まってますよ。皆、待ち遠しいみたいですよ」
カーテンを閉めながらアニスが外の様子を教えてくれる。
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美味しいご飯とお酒!新年のお祝いだけは民達に心ゆくまで味わって貰うのだ。
大人も子供も女も男もなく。
「違いますよ!皆、エリーゼ様とルーク様を見たくて集まってるんですよ!」
「え?私とルークを?」
室内が柔らかい光に包まれる。
アニスが眩しくない程度の灯りをつけて、近くまでやって来る。
「そうですよ。長い事、王国の……王家に取られると思われたエリーゼ様が帰って来て、帝国の皇子様をお婿さんにするって言うんだから皆大喜びで……だから、噂の皇子様とエリーゼ様の仲睦まじい姿を一目見たくて、早く見たくて集まって来てるんですよ!」
どエライ事言わないで!
「だから私だけじゃなく、侍女達も浮き足だってエリーゼ様のお支度にいつも以上に力が入ったんですよ!皆、エリーゼ様のお支度手伝いたいって大変だったんですよ。私達自慢のお姫様ですから!」
フンス!と鼻息が聞こえそうです。
そうだったのか……いつもはアニスだけなのに、やたらと大人数だったのは気合いが入っていたからか……
「それに……本当なら今日の髪型も結い上げたりしない予定だったんですけど、五月には婚姻式でしょう。どうせなら結い上げた華々しいお姿にしてしまいましょうって……一足早いお披露目ですよ」
「ねぇ……それって大丈夫なの?お父様とかお母様の許可って……」
不安です。怒られるのはアニスと侍女達だもの。
「大丈夫です!旦那様も奥様も笑顔で了承して下さいました!」
「そう、安心したわ。私も待ち遠しいわ……」
ルークと結婚する日が……
鏡に映った姿は未来の私だったんだもの。
花嫁さんか……
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