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元日! 37

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どこか甘いような香り……あったかい……でも、私のベッドこんなに固く……固って!
ガバッと手をついて体を起こす。
間近にあるのはルークの顔。

「おはよう」

「う……あ……おはよ……」

爽やかな笑顔で挨拶されて居たたまれなくなる。
寝顔……ずっと見られてたのかな?私、ヨダレとか垂れて無いよね?
ジロジロとルークの胸元の辺りを見る。
ヨシ!染みとか無い!ヨダレ回避!

「エリーゼ様、とっても幸せそうに休んでらしたんですよ」

カチャリとテーブルに淹れたてらしき紅茶が置かれる。
座り直して姿勢を正して紅茶に手を伸ばす。
時間的に起きて正解な時間でした。

「俺にも貰えるかな?飲んだら自室に戻るよ。支度をしなければならないんだろう?」

「ええ。お着物で出るのはちょっとね……ルークは何色の服を着るつもりなの?」

やっぱり色を合わせておきたいのよね。
いえ、待って!そもそもルークってそんなに服持ってるの?

「そうだな……」

「待って!ルーク、服ってどれ位あるの?」

ビックリするルークとアニス。
え?何でアニスまで?

「エリーゼ様、ルーク様は婚約者という事でこちらで何着も仕立てましたよ。領都でも普段着る物を仕立てましたし」

「そうだったの?」

いつの間に!いや、私が一人でゴソゴソやってる間にルークはルークで色々あったのね。

「衣装部屋半分以上埋まってるから安心してくれ。今日の夜会はシルバーグレーにするかな?差し色は青紫にしようか?」

派手派手しい気もするけど、ルークの顔が派手派手しいから大丈夫ね。

「じゃあ私はシルバーのドレスに赤を差し色にしようかしら?互いの色を入れれば分かりやすくて良いわよね」

ウキウキとテンションが上がる。
シルバーのドレスか……せっかくのお祝いだし、ちょっと位派手でも良いよね。

「そうだな。婚約してるんだ、分かりやすい方が良いだろうな」

ルークの笑顔に心がポカポカする。
…………リア充万歳!
そりゃあ何だかキラキラした瞳で闊歩するよね!
世界が色付いて輝いて見えるもの。
でも、片時も離れたくない……とか二人きりでもっと一緒にいたい……とか欲が出ちゃう。
漫画とかドラマとかの悪徳貴族とかメッチャ遊びまくってたけど、実際は無理。
周りに人だらけで常に見られてるし、仕事の催促もされるし……遊ぶ暇なんて余程能無しじゃなければ無……理……
ヒロインちゃんのお父様、能無しかっ!
あーやだやだ、嫌なの思い出しちゃったわ。
まぁ、能無しじゃなければ王子妃に出すとか無いわね。
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